左より 土居裕子、高橋由美子 撮影:川野結李歌

韓国で大人気を博したオリジナルミュージカルで、孤独な老女と彼女の元に突然やってきた人間そっくりのケアロボットの交流を描く「サンキュー・ベリー・ストロベリー」が4月5日に開幕する。老女・エンマをWキャストで演じるのは土居裕子と高橋由美子。歌あり、ハートフルなドラマありの本作の魅力について語ってもらった。

「孤独な老女とロボットの青年の話と聞いて『やります!』と言いました」と明かすのは土居。「人間はやっぱり最後はみんな一人。私自身、そろそろ“終活ノート”を書き始めようかな? と考えたり、引っ越しのタイミングでアルバムを処分してすっきりシンプルに…という時期だったので、すごくタイムリーなテーマだなと思いました。(ケアロボットが)ぜひほしいなって(笑)」。

高橋は“老女”役のオファーに当初「私でいいんですか?」と驚いたというが「オリジナル版の映像を見て、そこまで“おばあさん”に寄せたつくりにしなくてもいい作品なんだなと。とはいえ、私にとっては新しい扉、予想もしていなかった扉を叩くことになるなと思いました」と明かす。

青年ロボットとの交流の中で、少しずつ変わっていくエンマという女性について、土居は「心の中に哀しみが渦巻いて、澱(おり)のようになっている女性。心の中の負の要素ってこれだけ人間性を変えてしまうものなんだなと思いつつ、私は人の根幹にあるものは“善”であると信じているので、見ている人に光を届けることができたら。子どもって『しばらく見ないうちにこんなに大きく』って思うけど、老人って逆にあっという間に年老いていくんです。でも、心の成長度は衰えないと思うので、エンマも心が成長していくおばあちゃんでありたいですね」と語る。

一方、高橋は「序盤から『これは誰?』とか、いろんな伏線が散りばめられていて、それが時間を追うごとにつながっていくんです。エンマが抱えていた孤独がほぐれて、少しずつ温かくなっていくのと同時に、いろんな謎も解けていき、倍の感動が流れてきます。すごく気持ちよいですよ」と物語の魅力についても強調する。

真弓孟之(AmBitious/関西ジャニーズJr.)が演じるロボットについて、2人とも「絶対にかわいいと思う(笑)!」と断言!
「お客さんに『あのロボットほしい!』って思ってもらえる作品にしたいと思います!」(高橋)、「4人しか出演しないので濃厚なドラマを楽しんでいただきたいと思います」と意気込みを語ってくれた。

取材・文:黒豆直樹