「ずっと仮面夫婦状態だったせいか、離婚そのものは揉めることがなく、貯金や使ってきた家電などをきちんと分けることを話し合えて、よかったと思います。
お互いに働いているので収入があることも離婚がスムーズに進んだ理由だと思いますが、繰り上げ返済をがんばったおかげでローンがない家については、固定資産税の額が高いため夫より収入が多い私がもらいました。
売却する話も出たのですが、手続きの大変さや改めてアパートを借りる手間などを考えたら、私が住み続けるほうがいいとそのときは思ったのですが……。
いざひとりでの生活が始まると、広くて掃除が大変なお風呂が無駄に思えたり電気をつけることのない夫の自室だった部屋が気になったり、意外と落ち着かないのですよね。
庭に生える雑草もひとりで抜かないといけないし、トイレの水が詰まったら自分で業者に連絡して対応しないといけないし、『これなら賃貸でアパートを借りるほうが楽だったかも』と今は思っています。
離婚するとき、夫は家に執着がなく『売れば』と気軽に口にして、その様子が結婚生活を丸ごと否定するようで悔しくて『私が住むから』と言ったけれど、不便さを感じるたびに夫の顔が浮かぶのもストレスですね……」(47歳/総務)
ローンの支払いが終わっている家なら、離婚後に住み続ける道も確かにありますよね。
慣れた家なら特に生活も変わらないだろうと思いますが、暮らしにまつわる負担をすべてひとりで引き受ける現実も、忘れてはいけません。
今度、家をどうするかは自分だけで決められることを考えれば、売却やほかの手段も視野に入れて納得できる選択をしたいですね。