個性豊かな七人のカリスマたちの共同生活を描いた舞台『カリスマ de ステージ』~ようこそ!カリスマハウスへ~が2023年3月30日(木)からMixalive TOKYO 6F Theater Mixaで開幕した。

2021年10月から本格始動した『カリスマ』は『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』の開発・運営を手がけるEVIL LINE RECORDSと株式会社Dazedによる二次元キャラクタープロジェクト。「カリスマハウス」というシェアハウスを舞台に、個性豊かな七人のカリスマたちの共同生活を描いた音声ドラマを中心に展開している。本作は、その舞台版で、川尻恵太が脚本・演出を務め、舞台を中心に活躍中の若手俳優が出演している。

初日を前に行われたゲネプロ(総通し舞台稽古)を観た。

登場するのは「服従のカリスマ 本橋依央利」(持田悠生)、「自愛のカリスマ テラ」(丸山和志)、「秩序のカリスマ 草薙理解」(岩田知樹)、「反発のカリスマ 猿川慧」(寶珠山 駿)、「内罰のカリスマ 湊大瀬」(露口祐斗)、「性のカリスマ 天堂天彦」(田中涼星)、「正邪のカリスマ 伊藤ふみや」(坂下陽春)という七人のカリスマ。本作では、キャラクター紹介を兼ねた各々のショートストーリーが一通り展開された後、殺人事件が巻き起こって、シェアハウス崩壊の危機に陥る――という明快なあらすじになっているので、音声ドラマを未履修の方でも安心して観劇できる。

そもそもカリスマとは「超人間的・非日常的な資質や能力」をいうが、七人のカリスマたちはその名の通り、一癖も二癖もあるキャラクターばかり。ついつい「隣人にこんなキャラクターがいたらちょっと大変だなぁ......」と思ってしまうのだが、皆がみな別のベクトルで極端なので、物語の中では不思議と均衡がとれているのだ。そして、それぞれのカリスマに“共感”するような場面も出てきて「私にもこのカリスマの要素があるかも......」と思ったり、カリスマたちの“決め台詞”に興奮したりと、見入っている自分がいた。ネタバレになるので詳細は書かないが、最後のライブパートも含め、凡人では予測不能な、シュールでカリスマあふれる物語を楽しんでほしい。

上演時間は1時間45分(途中休憩なし)。公演は4月9日(日)まで。

取材・文:五月女菜穂