川崎の父に聞く
そんな高橋氏。彼が占いの世界に飛び込んだのが約20年前。 営んでいた自営業を畳み、横浜中華街でキャリアをスタートさせたそうだ。 誰に師事することなく、すべて独学で身につけたという。
―よほど、占いがお好きだったんですね。
「占いが好きなのはもちろんですが、一番は占っていて、相手の方が私の話を聞いて、深く納得しているのを見るのが好きなんですよ」
―納得?
「相手の方との“共有”ですかね。悩みや迷い事を、他人と分かち合う気持ち。そういった瞬間が好きなんですよ」
カウンセラーのようだ。 いや、占いというものが大昔から存在するカウンセリングなんじゃないかな……。“人が好きなんだろうな~”と強く印象づく。
―ちなみに、どうして「川崎の父」なんですか?
「そう呼ばれているだけで、実際、誰が呼び始めたのかわかんないんですよ(笑)」
占い世界大会について聞く
「去年だったんですが、ある日突然、中国で行われる占い大会(正式名称は『西安周易(しゅうえき)世界大会』主催者の代理人(日本人)が私のところに訪ねてきたんですよ」
何でも、氏の評判を聞きつけた主催者の代理人が「大会への出場」を打診してきたのだという。
「いきなりのことで、怖かったですねぇ……」と高橋氏。
確かに怖いと思う。というか、なに、その漫画みたいな展開……。
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開催地は中国の西安。大会は中国政府が初めて公に認証した、占いの世界大会だそうで、出場者はアジアを中心に各国400名の占い師が参加したという。記念すべき第1回大会というわけだ。(国家がスピリチュアルなことにお墨付きを与えるとは驚き)
ちなみに高橋氏、「本当なのか?」と完全には信じきれず、大会直前に現地に出向き視察を行ったそうだ。
そしていよいよ大会が開催。 西安に降り立った氏は、他の選手(占い師?)同様、手厚い歓待を受ける(移動には中国公安警察がSPとして張りついていたという)。
さて、キニナル審査内容はというと…
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うなる筮竹(ぜいちく)っ!!
飛び交うタロットカードッ!!!
……というバトル展開ではなく、まずは占いの方法論などを記した論文を提出するところから始まったそうだ(中国語が分からないため、高橋氏の論文は代理人が翻訳をした)。
その後に審査員(?)を実際に占う「実地」が行われたという。
ここで占い師である高橋氏の実力が存分に発揮される。まさに面目躍如。
実際に占い、通訳越しに対象者に診断結果を伝えると、みるみる相手の表情が変わっていったという。
「面白かったですねぇ。始めは否定的だった相手の顏が、しゃべるうちに、どんどん引きつっていって……」
占いが公には認められない、黙認状態の中国で、政府関係者と思えるその審査員は、さぞや怖かったんじゃなかろうか???
競技(?)を終え、中国観光も満喫した3泊4日の行程最終日、ついに高橋氏は出場者400名の頂点、6名が選出された最高金賞の栄誉を与えられる。
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