撮影: 源賀津己

日韓で大ヒットした映画『サニー』がミュージカル『SUNNY』として生まれ変わる。「SWEET MEMORIES」、「ダンシング・ヒーロー」、「センチメンタルジャーニー」など、80年代のJ-POPが彩るこのミュージカルに出演する花總まりと瀬奈じゅんに話を聞いた。

「いろんな分野の方が集まっているので、新しいミュージカル作品が生まれそうな予感がふつふつと湧いています。そんな作品に参加できること、作品ができあがっていく過程を体感できることがすごく楽しみ。変に気負うことなく、楽しく稽古して、本番もお客様の前に毎日楽しく立ちたいです」(花總)「今回は特に最初からこうしようと決めすぎてしまわず、周りの方たちと共鳴しながら作って、そこで生まれてくるものを大切にしたいと思います。それと、最初にこの作品に出演が決まって、花總さんとお電話で話したときに『私を楽しませてね』と言われたので、花總さんを楽しませるためにがんばります(笑)」(瀬奈)

『SUNNY』は、高校の同級生が大人になって再会するというストーリー。花總と瀬奈はともに宝塚音楽学校で青春時代を過ごした仲でもある。「私がトップになって最初の公演である『Ernest in Love』という作品のお稽古中、隣でお稽古していた花總さんが満面の笑みで『おめでとう!』と言ってくれたのを覚えています。トップが気をつけたほうがいいこととか、心構えみたいなことを教えてくださいました」(瀬奈)「音楽学校時代は本科生と予科生という間柄だったけれど、宝塚に入ってからはやっぱり男役スターさんだなって印象でした。ついさっきも、前を歩いている姿をみて頼もしいなと思いました(笑)」(花總)

花總が演じるのは専業主婦の奈美。瀬奈は独身で仕事に打ち込んでいたものの、病気になってしまう千夏役。「毎日を送るなかでふと、いまの自分の生活を客観的に見てしまう、自分を見つめ直してしまうという奈美のような方は、少なからずいらっしゃると思います。共感していただけるような演技ができたら」(花總)
「余命宣告を受けてから悔いなく生きるってどんな感じだろう、と想像しますね。千夏は結婚もせず、子供もいない。その気持ちの持っていく場所が高校時代のグループ「SUNNY」なんだろうなと。そこを丁寧に演じていきたいと思います」(瀬奈)

実際に10代をともに過ごした二人が演じる『SUNNY』。二人がデュエットするという『待つわ』をはじめとした懐かしい楽曲も、二人の現実に重なる女性同士の友情物語も楽しみだ。

取材・文:釣木文恵