永山絢斗(ヘアメーク:ShinYa(PRIMAL)/スタイリスト:檜垣健太郎(tsujimanagement)) (C)エンタメOVO

 映画『#マンホール』、映画『東京リベンジャーズ』シリーズ、ドラマ「リバーサルオーケストラ」と、次々に話題作に出演し、宮藤官九郎作のドラマにも多く出演している実力派俳優の永山絢斗。宮藤作・演出の舞台として、「大パルコ人(2)バカロックオペラバカ『高校中パニック!小激突!!』」以来、約10年ぶりの出演となる「ウーマンリブvol.15『もうがまんできない』」では、お笑いコンビ「ずっと待ってるズ」のボケ担当、隅田太陽役を演じる。永山に本作への意気込みや見どころなどを聞いた。

-約10年ぶりの宮藤さん作・演出作品への出演となりますが、出演が決まったときの心境は?

 相変わらず舞台には苦手意識があったんです。ですが、2020年の舞台「十二人の怒れる男」では、コロナ禍で不完全燃焼だったこともあって、久しぶりに宮藤さんをはじめ皆さんの顔を見たいという気持ちもありましたし、10年がたって、少し自分の意識も変わってきたので、いいタイミングで声を掛けていただいたと思って二つ返事でお受けしました。

-舞台には苦手意識があるとのことですが、稽古に入っていかがですか。

 稽古に入る段階でもう前回とは意識が全く違いますし、毎日、笑っている稽古場で、本番が楽しみです。稽古では、少しずつ宮藤さんの細かい注文が増え始めたぐらいで、さすがの着眼点で、思いもしてないことを言われたりするんです。本番が始まってからもそうでしょうけど、改めて気付く前振りになっているせりふもたくさんあって、そういうところを指摘してもらっています。

-本作の見どころは?

 とにかくもう笑いっ放しで、稽古で自分のせりふを言って爆笑しちゃっています(笑)。とにかく笑える作品であることは間違いないです。舞台の上手と下手でいろいろと物語が展開するので、僕が立っている反対側へ物語が移ったときに、自分は邪魔にならないような動きをしなければと思うんですけど、一言だけのせりふを挟んだりもするので、突っ立っているわけにもいかないんです。ですが、稽古では僕の立っている側と反対側に芝居が移ったら、観客のように見て笑っています(笑)。

-本作は、ウーマンリブvol.14として20年に上演予定でしたが、コロナ禍で中止後に無観客で収録・放送されたという作品の再上演です。前作との違いを感じるところはありますか。

 映像を見ましたが、本作は日々台本が変っているので、別物になっているように思います。前回、僕の役を演じていた要潤さんがどう演じていたか気になりはしますけど、できるだけ見ないようにしています。全ての公演が終わったら見るつもりです(笑)。

-演じる役柄についての印象は?

 お笑い芸人で、笑いに関しては人一倍考えているつもりなんだけど、どこか無責任で、あくまでも自分はばかじゃなくて、あえてばかをやっているんだと言っているばかです(笑)。それこそ僕もちょっと意識的にばかをやるというか、宮藤さんにいじられているんじゃないかなと思うぐらいの役です。

-本作の取材会で、宮藤さんは「絢斗くんの、力いっぱいばかなことをやってくれるところがすごく好き(笑)」とおっしゃっていました。

 僕はもう本当にばかだと思われています。悔しいですけど(笑)。だから、開き直って今回は突っ走ろうかなと思っています。(仲野)太賀くんがいるので、安心して僕はふざけていこうと思います(笑)。

-お笑いコンビの相方としてツッコミを担当する仲野さんの印象は?

 映画で一度だけ共演したときは、そんなにお話ができなかったので、今回、改めてという形ですが、すごくいい人です(笑)。非の打ちどころがないというか、駄目なところが一つもないように感じますし、優しいですし、人にもすごく気を使いますし、努力もしていて賢いですし、芝居も上手です。完璧過ぎて悔しいです(笑)。

-大絶賛ですね。稽古場では仲野さんとどう接していますか。

 別に変な距離を感じることもないですけど、まだ稽古の話ばかりで、そんなにプライペートの話はできていないです。少し稽古が落ち着いたら、家も近所なのでご飯を一緒に食べようよ、という話もしています。

-実際の永山さんはボケとツッコミのどちらですか。

 ツッコムことはできないです。ボケているほうだと思います。

-仲野さんから、普段でもツッコミを受けたりとか?

 いや、そんなことはさせません(笑)。

-仲野さんはボケとツッコミのどちらですか。

 まだ素の部分が見えたりはしてないんですけど、どっちもな気がします。素晴らしい役者さんなので、僕が何をしても大丈夫です。年下ではありますけど、経歴は太賀くんが上なので、先輩に胸を貸してもらいます(笑)。

-ほかの共演者も個性派がそろっています。

 荒川(良々)さんは、映像のお仕事でご一緒するときに僕をターゲットにして笑わしてくるんです(笑)。だから、荒川さんには苦手意識があるかもしれません。今回は舞台なので、荒川さんは仕掛けてこないんですけど、カメラが回っている最中にNGを連発させてこようとする悪い荒川さんがいるんです(笑)。今回の舞台では、悪い荒川さんが出てこないことを祈りますけど、大人計画の皆さんの土俵なので、何をしてくるか分からない怖さはあります。

-荒川さんに、やり返してやろうみたいな気持ちは?

 仮にやって、スッとかわされたりしたら寂しいですから、やり返すことはないです。相変わらず皆川(猿時)さんもエネルギッシュですし、荒川さんと皆川さんがちょっとやばいです(笑)。

-隅田という役も冒頭からかなりせりふがありますが、稽古をしてみていかがですか。

 大変です。せりふは入っていたんですけど、ただしゃべっているだけみたいなところもあったので、そこを宮藤さんに演出してもらっています。本作のつかみでもあるから、やっぱり太賀くんと2人の冒頭のシーンは大変です。そこを超えてしまうと、そこから他のキャストの方も出てきますし、少し落ち着いて芝居ができるんですが。

-プライベートで“我慢できないこと”はありますか。

 仕事が忙しいときでも、愛車のことは毎日考えています。手に入らないパーツを、職人さんにハンドメードで一から作ってもらっていて、修理や改造で5年ぐらい乗れていないんですけど、もう少ししたら帰ってくるんです。それと、稽古から帰ってきて、また台本を開かなきゃいけないぐらい大変なんですけど、そこから逃げるようにYouTubeで将棋のプロの対局を見ています。毎日欠かさずチェックしていて、僕の息抜きです。でも、台本に戻れなくなっちゃうぐらい見ている時間は長いかもしれません。そこは“我慢できない”ところです(笑)。

(取材・文・写真/櫻井宏充)

 「ウーマンリブvol.15『もうがまんできない』」は4月14日~5月14日に都内・本多劇場ほか、大阪で上演。公式サイト