韓国で大ヒットを記録し、日本をはじめアジア各国でリメイクされた映画「サニー 永遠の仲間たち」。同作を世界で初めてミュージカル化した「SUNNY」が6月より東京と大阪で上演される。これを記念して4月25日(火)、韓国文化院(東京)にてオリジナル版の映画「サニー 永遠の仲間たち」の上映会が開催され、ミュージカル版の脚本・演出を務める西田征史のスペシャルトークイベントが行われた。
オリジナルの映画版では1980年代後半の青春を描いているが、日本でリメイクされた映画は90年代のギャル文化にフィーチャーして制作された。今回のミュージカル版ではオリジナル版と同じ80年代を舞台とするが、この点について西田は「僕自身、青春は90年代なのですが、80年代への憧れがありましたし、アイドルが輝いていて、エネルギーを感じました。アイドルの楽曲を使って、懐かしい思い出と共に当時を振り返る作品にできたら楽しいと思いました」と明かす。
セットリストの一部として「SWEET MEMORIES」(松田聖子)、「ダンシング・ヒーロー」(荻野目洋子)、「センチメンタル・ジャーニー」(松本伊代)、「待つわ」(あみん)など当時、青春時代を過ごしていた人なら誰もが知るヒット曲が使用されることが明らかになっている。さらに西田はオリジナル映画版で登場する80年代の韓国の音楽喫茶を「ディスコに置き換えて再現しようと思っています」と明かす。そうなると、歌だけでなくダンスも楽しみなところ。しかも今回、振付を担当するのは、「ダンシング・ヒーロー」に合わせてバブル時代の女性を再現した“バブリーダンス”で知られるakane。西田は「あの時代感やエネルギッシュさなど、akaneさんらしさが出てくると思います」とうなずく。
主要キャストの花總まり、瀬奈じゅんは、共に宝塚歌劇団出身であり、まさに青春時代を同じ学び舎で過ごした“SUNNY”的な関係性を持った2人と言える。稽古に入るのはこれからだが、西田は「チラシ撮影の時点で2人の空気が出来上がっていて『ひさしぶり!』と言葉を交わす様子が、(劇中の)病室での再会と重なりました。2人の関係性を活かした生っぽいセリフにしていければと思っています」とこの2人だからこそ醸し出される空気感への期待を口にしていた。
日本ならでは、そして舞台ならではの「SUNNY」の完成を楽しみに待ちたい。
取材・文:黒豆直樹