世界観をしっかり持ったバンドがもっといてほしいなって思う

――それに向けて今も曲を作っている最中ですけど、曲作りで絶対に譲れないことってありますか?

Die:この5人でやることだけじゃないですかね。それでしかないかな。やっぱり音でちゃんと向き合って、お互いを刺激しあうというのはずっと変わってないんで、やっぱりそこかな。

――世界をステージに活動していますが、シーンの中での立ち位置などをふと考えることもあります?

Die:最近、考えてなくても感じてしまうよね。周りから入ってくる情報とか多いから。でも自分らが活動している17年の中で、音楽シーンもいろいろ変わってきているけど、その流れに合わせてしまうってことは俺らはずっとやってなかった。

かと言って、自分達の世界だけでいくってのは、逆に逃げというか。攻めてないことになるから。自分達以外のところに訴えかけることをやめたらダメだと思う。その姿勢だけでいいと思うんですよ。あとは周りは絶対に変わっていくんで、音楽シーンの状況とかね。しっかりと自分達のブレないところがありながら、少しずつでいいと思うんです。
 

写真:岡本麻衣(ODD JOB)

――2013年の今、ミュージシャンやアーティストにとって音楽は表現しやすい時代ですか?

Die:個人的には、世界観をしっかり持ったバンドがもっといてほしいなって希望があって。どっか似たり寄ったりというか、どこか軽く感じてしまうところがあって。

俺らだったらそういう見せ方とか聴かせ方はできひん。でもお客さんはそれでいいんだろうなって。それぐらいでいいんだろうなって、言い方は悪いですけど。別に悪いわけじゃないけど。

――そういった意味ではDIR EN GREYは濃いですからね、何もかも。

Die:まず、他では見たことのないライヴをやってると思う。でも入り口や間口が広いバンドではないんで、合わない人のほうが多いかもしれない、実際のところ。誰でも彼でも“どうぞ、どうぞ”って感じじゃないっすね。ただ、俺らのライヴを観て、どこか共感できるところ、響くところがあったら、俺はうれしいなと思う。

 

2014年1月22日(水)、DIR EN GREYはニュー・シングル『Sustain the UNtruth』を発表する。まだ制作中であるものの、新たな解釈でサウンドを構築し、これまでよりグルーヴも意識しているという。その仕上がりも楽しみだ。

このインタビューは、9月からスタートしていた国内ツアー「TOUR2013 GHOUL」の最中に行なわれたもの。このツアーでは、2デイズの会場では各日異なったセットリストを組み、構築の美学と凶暴な攻撃っぷりを発揮。ファンをいい意味で震え上がらせ、DIR EN GREYの凄みを見せつけた。その勢いのまま、11月から約2年ぶりとなる北米ツアーをスタート。ダラスを皮切りに全14カ所でのライヴを予定している。

そして国内でのライヴも決定。2014年3月8日(土)・9日(日)に日本武道館で「DUM SPIRO SPERO」を行なう。これはニュー・シングル発表に伴うものというよりも、そのタイトルからも分かるように、2011年8月に発表した通算8作目のアルバム『DUM SPIRO SPERO』の完結編と呼べるライヴになるだろう。
 



DIR EN GREY「DUM SPIRO SPERO」
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2014年3月8日(土)・9日(日) 日本武道館
11月30日(土)一般発売開始