バンド結成からすでに16年。常に変化と進化を繰り返しながら、音楽的創造力を高め続けているバンドがDIR EN GREYだ。ロック、ハードコア、メタル、ラウド、エモなどあらゆるものを貪欲に飲み込みながら、このバンドにしか成し得ない曲と詞は、多くのファンを虜にしている。
活動も日本国内に留まらず、2005年からは本格的に海外へも進出。今では海外で最も知られるロック・バンドでもある。
 

『TOUR12-13 IN SITU-TABULA RASA』
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今年9月に発売された映像作品『TOUR12-13 IN SITU-TABULA RASA』は、最新のライヴ映像やツアーのドキュメントで構成されたもの。
音楽に向かう姿勢とステージをたっぷり味わえるが、ただの音楽映像作品とも違って、あまりの生々しさでメンバー5人のヒューマン・ドラマとさえ呼べる作品だ。

ギタリストのDieに、映像撮影時の心境、海外に進出してからのDIR EN GREY、さらに活動に向ける精神性などを語ってもらった。
 

――映像の冒頭から、ボーカルの京が倒れて今後のライヴがどうなるか分からない状況で、非常にショッキングな映像作品でした。

Die:あのときは、いろんなことが頭をよぎった…。その後のスケジュールをキャンセルしなきゃあかんのかとか、DVDにも入っている5月24日=渋谷公会堂のライヴはできるのかどうかって。
 

Die(g)  写真:岡本麻衣(ODD JOB)

実際、渋谷公会堂で初めてやったセルフ・リメイク『MACABRE』は、メンバー5人揃って合わせたことは1回もなくて。すげープレッシャーあったし、やったところでグダグダでしたじゃ、何をしてんねんって話やし。その前に、果たしてライヴもできるのか分からない状況やったから、メンバー間もスタッフもすごいピリピリしてた。

でもメンバーが動揺したところで何も変わるわけないから、まず楽器陣がバンド・サウンドをしっかり固めて、京を待とうという姿勢ではあったかな。あの時期、明日になったらまた状況が変わっている感じやったから、常にヒヤヒヤしてたな(苦笑)。