此元和津也原作の同名コミックを舞台化した『セトウツミ』が2023年5月27日(土)から東京芸術劇場プレイハウスで、6月9日(金)から梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで開幕する。
原作は、2013年〜17年まで「別冊少年チャンピオン」(秋田書店)にて連載された人気コミック。メガネをかけたクールな風貌で、放課後、塾にいくまでの時間を河原で過ごす内海想(牧島輝)と、ある事情からサッカー部を辞めて河原で暇を潰す、ギザギザの髪が特徴的な瀬戸小吉(有澤樟太郎)は何故か気が合い、“ハイレベルな無駄話”を繰り広げている。瀬戸が片思いをしている一期(佐藤日向)、瀬戸に片思い中のハツ美(同)、何となくいる田中(納谷健)らとの人間模様も含め、高校生の何気ない日常を中心に描いているコメディ作品だ。
開幕にあたって、牧島輝は「カンパニー全員で仲睦まじく稽古ができた。長期間稽古が出来たことで、いつもよりセリフが身体に馴染めている印象がある」とコメント。その上で「河原に2人がいて、2人に関わってくる誰かがいて、そんな景色を見る感覚で舞台を観ることができる、なかなかない舞台。どこにでもあるような場所だが、2人にとってはかけがえのない場所。自分にもこんな場所があったなとセットを含めて懐かしんで楽しんでいただけたら嬉しい」。
一方、有澤樟太郎は「瀬戸と内海の掛け合いが主だが、他のキャラクターが出てくることで雰囲気が変わり、またいろいろな空気感を感じられる作品だと思う。2人の掛け合いももちろん、登場人物とのやりとりや関係性も楽しめて、そこでさらに瀬戸や内海というキャラクターがより分かると思う」と舞台の魅力を語る。「大阪が舞台である『セトウツミ』。たくさん稽古をしたことで、キャスト全員がどんどん大阪に馴染んで、ネイティブ大阪になっている。全国にいるお客様、海外にいるお客様にもぜひ楽しみにしていただきたい」とも語った。
上演時間は2時間10分(休憩なし)とやや長めだが、「ムカーとスッキリ」などのように場面タイトルとともに、ショートコントのようなスタイルで展開していく。その上牧島の巧みなセリフ捌きと有澤の憎めないキャラ作りが見事にはまっていて、飽きずに観劇できると思う。
東京公演は6月4日(日)まで。なお、英語字幕があり/なしが選択できるライブ配信も予定されている(アーカイブ配信あり)。
取材・文:五月女菜穂







