栗山英樹監督

6月2日、野球日本代表「侍ジャパン」トップチームの栗山英樹監督の退任会見が行われた。3月の『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』で侍ジャパンを3大会ぶり世界一に導いた栗山監督は感謝の念を述べた。

「短い期間なのか長い期間なのかわからないが、ジャパンの監督を務めさせていただいた。多くのみなさん、メディア、ファンのみなさん、本当に応援、ありがとうございました。結果勝ち切ることができて、日本野球の素晴らしさを少しだけ伝えることができたと思う。子どもたちに『野球面白いな』と思ってほしいと戦ってきたが、少しでもそう感じてくれたら本当に良かったと思う。いい環境をつくっていただき、みなさんに応援してもらって、僕も思い切りやることができたので、お礼を言いたい。ありがとうございました」

印象に残っているゲームを問われると、指揮官はこのように答えた。
「『WBC』の試合すべて。最初の試合もすごく大事。中国戦、チェコ戦も相手の一生懸命な姿を見て、こちらも気付く部分があった。一戦一戦が生涯忘れられない試合だと思う」

栗山監督は侍ジャパンの若い選手たちの活躍をどう見ているのか。
「若い選手を敢えて選んだつもりは全くなく一番強いチームを作った結果、若い選手が揃った。『これから野球の伝道師たれ』というお願いを伝えさせてもらったが、選手たちが日本の野球の素晴らしさを伝えてくれると信じている」

栗山監督は今後もベストメンバーが集結すると信じていると語った。
「選手みんなが個人的な事情はすべて差し置いて、日本野球のために集結するんだという姿を見せてくれたので、これ以降はすべての野球人が自分の都合を忘れて、日本野球のために全員が力を尽くすということになったと僕は信じている」

代表監督の難しさを質問されると。
「あれだけ超一流の選手が集まる。絶対ケガをさせてはいけない。ケガもあったが、各球団からお借りして、無事返さないといけない。宝物を預かる、少しでもいい経験をしてもらって、勝たなくてはいけない。そういう中いろいろ考えたつもり」

次期監督へのアドバイスを求められると。
「僕が言うことではない。たまたま監督をさせてもらったが、次の監督はこうあってほしいというのは一切ない。日本には素晴らしい野球人がたくさんいるので」

栗山監督から選手たちへのメッセージはこうである。
「各チームに戻って一生懸命やっている選手を見ている。(埼玉西武ライオンズの)源田(壮亮)が復帰してうれしいし、迷惑をかけたと思った。あれだけの感動、一緒になって僕も感動した。素晴らしいシーズンにしてほしい、野球をやってきて良かったと思ってほしいと思ったが、これから彼らに何度会っても『ありがとうな』と言い続けると思う。僕も今まで見たことがない景色を見させてもらった。『ありがとうな』、それだけです」