佐藤隆太による一人芝居『エブリ・ブリリアント・シング~ありとあらゆるステキなこと~』が2023年8月11日(金・祝)から東京芸術劇場シアターイーストでおよそ3年半ぶりに再演される。

再演にあたって佐藤隆太は「すぐにでも再演したいと思っていました。それぐらい自分にとって宝物のような作品なんです。できるならコンスタントに今後も演じ続けていきたいと思っていました」と素直に喜ぶ。

本作は一人芝居ではあるが、観客参加型のイマーシブシアターの形態をとる。佐藤は初演について「演劇はその日その場所に集まったお客様と演者が、その瞬間でしか味わえないものを共有するということが醍醐味の一つだと思うんですけど、本作はそれがとても色濃く感じられる作品なんです。毎回が特別な時間でしたね。」と振り返る。

実は、開幕前に米国ユタ州において本作を観劇したという佐藤。「脚本・演出、演者とお客様の関わりなど全体をひっくるめて見事な展開で、鳥肌が立ちっぱなしでした!胸が締め付けられるような場面がありつつも、一緒に奇跡的な瞬間をつくりあげていくことに感動して涙が出ました。それに劇場を出るときの余韻がすごくて、劇場を離れたくないと思ったんです。他のお芝居では味わえない体験が間違いなくあって、本当に感動しました」。その経験があったからこそ「お客様にもあの感覚を味わっていただきたい、その一心で臨んでいましたし、そうして目指すものがある分、一つ上の挑戦ができました」。

今回、翻訳と演出を手掛けるのは上田一豪。舞台『いまを生きる』でタッグを組んだ経験がある佐藤は「すごく信頼している演出家ですし、そもそも気が合う」と印象を話す。そして「演出家が変われば、作品の雰囲気も少なからず変わってくるでしょうが、ずっと1人で演じてきて、セリフもある程度身体にまだ残っているので、やっぱり僕自身初演に引きずられることもあると思うし、うまく回っていたところを変える怖さもなくはないです。でも上田さんとこうしてタッグを組む機会を生かし切りたいですからね。覚悟を決めて、初演以上に皆様に楽しんでいただける作品にすべく、また新しく1から作っていこうかなと思っています」。

東京公演は2023年8月27日(日)まで。ほか全国10都市で上演が予定されている。

取材・文:五月女菜穂

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