この夏、不朽の名作であるブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』が日本にやってくる。物語の舞台は1950年代のニューヨーク。不良少年たちは縄張り争いに明け暮れ、ポーランド系移民の“ジェッツ”とプエルトリコ系移民の“シャークス”が対立していた。そんな中、“ジェッツ”の元リーダーであるトニーと、“シャークス”のリーダーの妹マリアが出会い、運命的な恋に落ちてしまう。敵対するグループでありながらも惹かれ合う若い恋人たちは、争いの波に翻弄されていく。
公演のオフィシャルサポーターに就任した宮野真守は、2019年に日本キャスト版ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season1でトニー役として出演、2021年に話題となったスティーブン・スピルバーグ監督による映画「ウエスト・サイド・ストーリー」の日本語吹き替え版でもトニー役を担当しており、本作の魅力を誰よりも深く理解するひとりだ。
宮野はオフィシャルサポーター就任について「自分にとって特別な作品なので、また(作品について)語れることが光栄です」と笑顔を見せる。公演の見どころについて、「演出が華やかで、音楽とダンスが格好いい。観ていてすごく興奮する舞台なので、エンターテインメントとして存分に楽しめる」と同時に、「生きるために大切な価値観をおしえてくれる舞台だ」という。
宮野は以前トニー役を演じた際に、当時のアメリカの社会情勢について勉強した経験がある。それを踏まえ2023年に上演する意義について、「いまの世の中は人種問題だけでなく、それぞれの生活の中で生きづらさを感じてしまう時間もあると思う。トニーが示してくれる『一歩前に踏み出す勇気』というのは、現代に生きる私たちにフィットしている。そういう思いを、物語のどこかに感じながら観てもらうと、より楽しんでもらえるんじゃないかと思います」。
クラシックな悲恋物語にとどまらない、いまを必死に生き抜こうとする若者たちの姿から「命の輝き」を感じてほしい。
公演は、7月5日(水)から23日(日)まで東急シアターオーブ、7月31日(月)から8月2日(水)まで群馬・高崎芸術劇場、8月5日(土)から6日(日)まで大阪・オリックス劇場にて。チケットは発売中。
取材・文:北島あや