ユーザーから投稿された「キニナル」情報を検証すべく「はまれぽ」が体を張って調査!
今回のテーマは…
<横浜のココがキニナル!>
伊勢佐木モールの一本裏通りの末吉町に二郎インスパイア系ラーメン店「ハングリーピッグ」という聞いたような店があります。キニナルので調べてください。独自の工夫があると思うので、キニナル。(ushinさん)
ハングリーピッグへ突撃
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今回の調査依頼は、中区末吉町にある「ハングリーピッグ」。末吉町といえば、ここ1年でラーメン店の新店が増え、各店がしのぎを削っているエリア。
場所と店名、そして“「ラーメン二郎(以下、二郎)」インスパイア系(二郎の味と独特のシステムをならったラーメン店)”という情報から想像するだけで、胃袋を満たしてくれそうな予感がする。
神奈川県内のラーメン本の取材を3年間担当していた筆者だが、「二郎」に関しては数回、足を運んだ程度の初級者。二郎系の分析をするからには、この男に語ってもらおうではないか。
そう、ラーメン二郎横浜関内店の店長から常連のお墨付きをもらっている、ジロリアン千葉。
さっそく、アポを取ろう! とインターネットで調べてみると、なんと電話番号が非公開。ならば、突撃するしかない! と千葉とともにハングリーピッグへ向かった。
混雑時を避け、やってきた時間は午後10時前。L字の10席のカウンターには、会社帰りと思しき男性が3名。お客さんが途切れた時点で突撃したいのだが、いかんせん客足が途絶えない。
不審者に思われないよう、電柱の影から様子をうかがうこと1時間、閉店時間ギリギリに最後のお客さんが店を出たところで「すみません!」と声を掛けて事情を説明すると、金田店長が笑顔で応対してくれた。翌日の昼の営業終了後なら、取材に応じられるとのこと。
ということで、翌日に出直し、改めてお邪魔した。
ラーメンを「喰らう」から「作る」への挑戦
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まず外観からチェック。黄色い具合の看板といい、「ニンニク入れましょう」のキャッチコピーは二郎系のラーメン店を思わせる。
清潔感のある店内は、カウンター席のみ。床が滑ることもなく、こげ茶の壁にはハンガーの用意もあり、女性も入りやすい雰囲気だ。食券機は入口の左側に。
ひと仕事を終えたばかりの金田店長に、開業の経緯や、味の工夫など、話を伺った。
「いつかは自分の店を持ちたいと思っていたんですよね」と金田店長が語り出す。その夢が叶い、ハングリーピッグを開業したのは、2012(平成24)年11月15日のこと。
埼玉県出身の金田店長は20代前半まで飲食業の世界で働きながら、自分の好きなラーメン店を出せるように準備を重ねた。23歳からラーメンを食べ歩くために、バイクの中型免許を取得。1年間で200食は味わったという。
「初めて味わった二郎インスパイア系のラーメンは「富士丸」の北浦和店。その後に、同じく二郎インスパイア系のジャンクガレッジ東大宮店で食べたところ、インスパイア系でも別物と感じ、いろいろな形があると思ったんですね」と金田店長。
もちろん二郎にも通い、インスパイア系ラーメンの虜になっていくが、ほかにも家系ラーメンやつけ麺など、あらゆるジャンルのラーメンを食べながら研究をしてきた。ではなぜ今の味に辿りついたのだろう。
「ジロリアン(ラーメン二郎マニアの通称)が、ジャンクガレッジを食べたらもの足りないと思うかもしれませんが、二郎は中毒になる人もいれば、二度と食べたくないという人も多いでしょう。自分は二郎も好きだけど、ジャンクガレッジ系の方がウケがいいと思ったんです」
ここで、金田店長は本格的に動き出す。埼玉の某人気店に出向き、履歴書を手にして門を叩いた。
そこで、自家製麺の麺打ちを学び、動物系や魚介系スープの扱いも覚えていく。「店長が厳しく、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく! と当たり前だけど、しっかり教えられました」と金田店長。
その後、修行元の系列店を4店ほど渡り歩いて修行を積み、満を持しての開業に至った。
店名の由来は某中華料理店の名前をヒントに、とんこつスープの“豚”を掛け合わせたものだそうだ。それでは、その自慢のメニューを実食してみよう。