“数学”をテーマに展開される異色のミュージカル『浜村渚の計算ノート』。シリーズ累計110万部を突破した人気推理小説を原作に、“数学”が学校教育からなくなった世界を舞台に、天才的な数学センスを持つ女子中学生・浜村渚がテロリズムに立ち向かう姿を描く。警視庁の捜査官で、テロ組織「黒い三角定規」の事件を担当する武藤刑事を演じる立石俊樹、そして本作が初舞台となる、瀬島刑事役の藤岡真威人が本作の魅力について語り合った。
学生時代から数学が得意だったという立石は本作について「なぞなぞの要素もあり、事件の部分に関しては人間ドラマがあって、すごく深い思いも感じつつ、数学の楽しさやワクワクを感じられる作品になっていると思います」とその魅力を口にする。
藤岡も「テロが起きて、それに女子中学生が数学を使って立ち向かうという発想が面白い! 読んでいく中で、知らなかったこと、聞いたこともなかった数学の知識に触れることもできるけど、あくまでも物語の中で描かれるので『勉強してる』という感じではなく楽しめると思います」とうなずく。
本作が初舞台となるが、藤岡は「個人的に舞台は難しそうというイメージがあって、ハードルの高さを感じていました。だからこそ成長や新たな学びもあると思い、いつかやりたいと思っていた矢先にこのお話をいただきました。わからないことがたくさんあると思いますが、回数を重ねながら成長していけたら」と意気込みを口にする。
そんな藤岡とこの日、初めて顔を合わせた立石は「僕自身、初対面の人と顔を合わせるのは緊張するタイプなんですけど、すごく自然に話せました。10歳違うんですけど、もしかしたら、ようやく“お兄ちゃん”になれるんじゃないかと(笑)」と“頼れるお兄ちゃん”宣言。
藤岡は「“先輩”感を出さない感じで接してくださるのがありがたいです。とはいえ、たくさんの舞台に出られている大先輩であることは変わらないので、ぜひ頼らせていただければと思います!」と笑顔で語る。
初ミュージカルの稽古を前に藤岡は現段階で、自らのセリフを録音し、聞きづらい部分や伝わりにくい部分を確認するという作業を繰り返しているという。立石は、舞台に立つ上での自身で行なっているという取り組みとして「台本や原作を読み返すたびに、気づく部分が増えていくので、一度、台本を覚えた後に改めて原作や台本を読み直すことを意識的にしています」と明かしてくれた。
頼れる先輩と共にどんな初舞台を見せてくれるのか。楽しみに完成を待ちたい。
取材・文:黒豆直樹
【公演情報】
ミュージカル『浜村渚の計算ノート』
演出:植木護
脚本:嘉納みなこ / 植木護
出演:桑原愛佳 / 立石俊樹 藤岡真威人 飯窪春菜 隅田美保 入来茉里 藤岡舞衣 西條妃華 /井上小百合 レ・ロマネスクTOBI 朝隈濯朗 ダイアモンド☆ユカイ 他