「俺が小さい頃から過干渉というか、することにいちいち口を出しては自分の意見を通そうとする母親とは、中学生になってから家で会話をするのを避けていました。

反抗期だったせいもあって、食事に呼ばれても無視して自分の部屋にこもることが多かったですが、そんな俺を見ても父親は何も言ってこないというか放置していて。

思い出してみると父と話すのは母親が家にいないときで、日曜日にインスタントラーメンを作ってくれたり部屋の模様替えを手伝ってくれたり、楽しかった記憶がありますね。

しつこく絡んでくる母親と違い、学校や勉強のことをあれこれ聞いてこない父親が好きでした。

ふたりの状況とか実家にいた頃はほとんど興味がなかったけれど、今振り返ると仲睦まじくいるところなんて覚えてなくて、ふたりが揃ってリビングにいることもなかったし、三人でテレビを見るような時間もほとんどなかった気がします。