ミュージカル『天翔ける風に』が2023年9月29日(金)から東京芸術劇場 プレイハウスほかで上演される。出演する屋良朝幸と原嘉孝はそれぞれ人気舞台へのオファーが絶えない二人だが、意外にも舞台共演は今回が初めてだ。
「ずっと共演したいと言い続けてきました」と原は思いを語り、「全身からエネルギーがあふれているというか、こちらも楽しくなるようなパフォーマンスをされますよね。こうなりたいと思う先輩の一人です!」と屋良を評する。一方の屋良は「実はプライベートで会う仲」と明かし、「初めて見たとき、面白いやついるなぁと。(原さんの)お芝居は見ているんですけど、歌ったり、踊っていたりする姿はそんなに知らない。今回はせっかくの機会だし、いろいろゆっくり話せたら」。
舞台は幕末。原が「僕、歴史に本当に詳しくなくて......」と不安げにつぶやくと、屋良は「俺も全然分からない。一緒に勉強しよう」と笑う。いわゆる“和物”テイストの舞台が初めてだという屋良は「以前出演した舞台で日舞を少し踊って、先生に『君は日本の心がないね』と言われて(笑)。今回は自分の経験してきたダンススタイルとは違うパフォーマンスもあるかもしれないし、また新たな引き出しをつくるチャレンジができたら」と意気込んだ。原にとっても本作は“挑戦”が詰まっている。「血気盛んな役で、声を張り上げたりするでしょう。声の出し方やケアの方法などをいろいろ先輩方から学ぼうと思っています」。
コロナ禍も終わりが見えてきた。屋良は「初日が開けて、千秋楽を迎えることが当たり前でないことを改めて感じた日々。どうやってその日のお客さんに楽しんでいただけるか、何をどう伝えるかをより考えるようになりました。確かに大変な時期だったけど、そういう風に思えたのはよかったかな」。原は「配信公演などはコロナ禍で生まれた新しい楽しみ方だと思うんですけど、それでもやっぱり生で観ていただきたい。早くコロナ禍が終わって、少しでも多くのお客さんに舞台を楽しんでほしいです」と語った。
東京公演は10月9日(月・祝)まで。そのほか地方公演が予定されている。
取材・文:五月女菜穂