デジタルカメラ市場の回復傾向に暗雲か…

イベントなどでの入場規制や行動規制が緩和され、外出機会の増加に伴いデジタルカメラ市場はこのところ復調傾向で推移してきた。しかし、7月の国内出荷実績は前年同月よりも大きく落ち込む結果となった。

1月からの累計では出荷金額が前年2桁増をキープ

カメラ映像機器工業会(CIPA)がまとめたデジタルカメラの出荷統計によると、7月の国内出荷実績は全体台数が前年同月比82.5%で、全体金額は同76.4%。前年実績クリアは出荷台数が5カ月連続、出荷金額は6カ月連続でストップした。

単月では前年割れだったが、1~7月の累計では出荷台数が前年同期比103.6%と前年プラスで、出荷金額は同114.2%と2桁増をキープしている。

デジタルカメラ全体を3つのタイプ別でみると、レンズ一体型の出荷台数は約3万台で前年同月比82.7%。同様に一眼レフは約3000台で同53.8%、ミラーレスは約4万3000台で同85.7%だった。ミラーレスの出荷台数前年割れは2022年4月以来のことである。

1~7月の累計出荷台数ではレンズ一体型が前年同期比91.3%、一眼レフは同53.3%と両タイプとも前年実績を割っているが、ミラーレスは同128.3%となっている。

国内出荷台数の半数超がミラーレス

7月の出荷台数構成比はレンズ一体型が39.7%で、一眼レフは4.2%、ミラーレスは56.2%。1月からの累計でもミラーレスの台数構成比は51.8%で、ミラーレスが市場を牽引していることが分かる。

出荷金額を出荷台数で割った平均出荷単価をみるとレンズ一体型は3万723円で、一眼レフは4万9837円、ミラーレスは9万8108円だった。

この平均出荷単価を前年同月と比較してみると、ミラーレスは約13%、一眼レフは約24%のダウン。しかし、レンズ一体型は逆に約26%のアップだ。

約3年間にも及ぶコロナ禍とスマホへの代替で、需要縮小で推移してきたデジタルカメラ。7月出荷の前年割れはたまたまだったのか、それとも回復傾向にブレーキがかかってきたのか。8月以降の実績発表を待ちたい。