「実家は母親の祖母が同居していて、いつも嫌味なことばかり言うし正直に言って居心地が悪く、早く家を出たいと思っていました。
祖母は特に父に対してきつくあたっていて、給料が低いとか食べ方が汚いとか文句ばかり、いま思えば私たちの前でよく口にできたなと思います。
母はそんな祖母に口答えすることもなく従うだけで、そんな母を見るのもイヤでした。
だから両親の仲が冷めきっているのは当たり前というか、父親が母の具合が悪いときに病院に連れていこうとしないのも何とも思わなかったですね。
私はこんな親にとっくの昔に見切りをつけていたのですが、3つ下の妹はそうではなく、祖母の機嫌を母と一緒になってとったり父親に反抗的な態度をとったり、『染まっているな』と感じました。
両親の不仲も妹の状態もどうにかできることではないので、私は県外の国立大学に進学するためひたすら勉強をがんばって、やっと家を出てからは実家とは疎遠です。
連絡を取っているのは妹だけですが、高校を卒業して地元の企業に就職した妹はそのまま実家に住み続けていて、今は亡くなった祖母のように父や母の文句ばかり、毎年『帰省しなよ』と言われるけれど、絶対に嫌だと思い仕事を理由に断り続けています。
両親は相変わらず口もきかない様子らしく、よくそんななかで生きていけるなと思うけど、親の状態が異常だと子どももこうなるのだな、と他人事のように思いますね」(女性/25歳/公務員)
まともとは思えない親の姿に、自分は距離を置くけれどきょうだいが「染まって」しまうというケース。
子は生きる環境を選べず、この有り様をそのまま受け入れてしまえば同じように人にケチをつけながら生きることに疑問を持ちません。
子どもであっても環境の受け止め方はさまざまなのですね。