このままずるずる後退するわけにはいかない。10月21日・国立競技場での『明治安田生命J1リーグ』第30節で、鹿島アントラーズはヴィッセル神戸に首位の力をまざまざと見せ付けられた。前半は神戸に左サイドから中央ニア気味へクロスを上げられてヘディング弾を2発許した。前半をシュート0に封じられると、鹿島は後半からMF松村優太&仲間隼斗、DF昌子源を投入し、リズムを取り戻そうとするが、神戸が鹿島ゴールを次々襲う。
61分左CKのこぼれ球を右SB酒井高徳がミドルシュートでネットを揺らすも、VARでオフサイドが判明してノーゴールに。79分GK早川友基が途中出場のJ・パトリッキと1対1のピンチに陥るもポストに救われた。しかし、83分には右CKからのパトリッキのヘッドがポストに跳ね返り、こぼれ球をこの日先制点をマークした佐々木大樹に押し込まれて勝負あり。鹿島は90+1分に松村のドリブルシュートで1点を返すのがやっとだった。
試合後、岩政大樹監督が「完全に力負け。神戸の方がたくましかったし、強かったし、局面局面でも上回られた」と力の差を認めれば、鈴木優磨も「情けない試合をしたと思う。今季ずっとやってきたことで首位に立っているチームとなかなか勝ち切れないチーム。そこの完成度の差を痛感した」と悔しさを口にした。
『明治安田生命J1リーグ』第31節で対峙する浦和レッズは10月20日・第30節こそMF小泉佳穂と左SB荻原拓也が後半立て続けに今季初得点をマークして柏レイソルに2-0の完勝を収めたが、24日・ホームでの『AFCチャンピオンズリーグ』MD3で浦項にフィジカルの差を突き付けられた。浦項の球際の迫力に浦和は後手に回るばかり。最終ラインでは自由にボールを回せるが、中盤になると激しいプレスが襲ってくる。浦和はボールを前に運べず、危険なカウンターにさらされながら、0-2で『ACL』初黒星を喫したのだった。
試合後、マチェイ・スコルジャ監督は「普段我々はフィジカル的に相手を上回ることが多いが、今日はコンタクトプレーやチャレンジの部分でほぼすべてのシーンで負けてしまった。韓国サッカーのフィジカルの強さは少し驚きだった」と率直に明かした。
リーグ戦の通算対戦成績では鹿島が33勝13分19敗と勝ち越しているが、ここ10試合の結果で言えば3勝4分3敗の全くの五分。現在3試合連続ドロー、6月の第16戦は緊迫感が張り詰めたスコアレスドローに終わった。
果たして、リーグ優勝の可能性が消えた6位鹿島が日程の利を生かして再浮上するのか、強行軍の3位浦和が逆転優勝に望みをつなぐのか。前戦の悪いイメージを払拭するのはどっちだ。『明治安田J1』第31節・鹿島×浦和は10月28日(土)・カシマサッカースタジアムにてキックオフ。当日は来場先着1万名に柴崎岳のデザインシールをプレゼント。チケットは鹿チケ(Jリーグチケット)にて発売中。試合の模様はDAZNにて生中継。