ノートPCにもUSB-Cで給電できるモデルが増えてきた

今、電源でホットなのがUSB Type-C(USB-C)だ。スマートフォン(スマホ)やタブレットは言うに及ばず、ノートPCやディスプレイもUSB-C給電で使えるようになってきた。そのほか、バッテリ充電器に完全ワイヤレスイヤホン、LED照明、サンプリングマシンと、どんどん守備範囲が拡大している。そしてこの秋、ついにiPhoneも採用に至り、世の中は電源供給といえばUSB-Cという情勢になってきた。こうした背景でケーブルの販売も伸びている。全国2300店舗の家電量販店やオンラインショップなどの売り上げを集計する、BCNランキングで明らかになった。

デジタル家電市場全般の市況は、現状かなり厳しい。テレビやPCは前年割れ、スマホやタブレットも前年割れ基調だ。唯一デジカメは前年比で大きく伸びているが、コロナ禍でコテンパンにやられた借りを返す途上だ。しかし、充電ケーブルの規格として定着してきたこともあり、USB-Cケーブルは堅調。頻繁に利用されているうえ消耗品でもあり、買い替えも一定期間で発生するからだろう。この1年を振り返っても、販売数、金額ともに前年を下回ることなく推移してきた。

そこに訪れたのがiPhone特需だ。アップルは、9月に発売したiPhone 15シリーズから内蔵端子をUSB-Cに切り替えた。これまで同社独自の規格、Lightningを頑なに守ってきたが、EUの圧力もあり、ついに「山が動いた」わけだ。iPadはすでに切り替わっており、時間の問題とは言われていたが、いざ実際に採用されると、ケーブル業界への影響は大。9月の販売数前年比が130.0%、金額も125.8%に跳ね上がった。10月はさらに勢いが加速。販売数152.6%、金額151.6%と大幅に伸びた。まさにiPhoneサマサマだ。

活況な市場とあってプレーヤーも多い。10月現在でUSB-Cケーブルを販売しているメーカーは129社もある。トップメーカーはエレコムだ。常に5割弱のシェアを維持している。10月現在のシェアは46.1%。大きく水をあけられて2位で追いかけるのが多摩電子工業でシェア10.3%。次いでAnkerの7.8%。テレホンリース6.3%、カシムラ2.4%と続く。トップシェアのエレコムは品ぞろえが豊富だ。標準的なケーブルに加え、ノイズ軽減タイプや音や映像用に特化したタイプなどを用意。ケーブルのバリエーションも、スリムタイプやなめらかタイプなど、ニーズに応じて選べる。また、L字型コネクタを採用したモデル、ベージュやダークブラウンなど机や家具に合うケーブル色を採用したモデルなど、幅広いラインアップが高いシェアを支えている。一方、iPhone特需で特にシェアを伸ばしているのがAnker。被覆に高耐久ナイロンを採用したモデルが人気だ。

これからも、USB-C給電を採用する機器は増えていくだろう。機器によっては100Wを超え、最高で240Wまでの大電力に対応するものもある。機器や充電器の発熱も大きい。それだけに、例えば痛んだケーブルを使い続けるなどでショートして発火する恐れも高まる。実は私もつい先日、痛んだケーブルからの発煙を経験したばかり。すぐに見つけて大事には至らなかったが、肝を冷やした。扱いには、より一層気を遣ったほうがいいだろう。(BCN・道越一郎)

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