理美容家電は単月での前年実績プラスが12カ月続いている

経済産業省の商業動態統計調査で家電大型専門店の9月販売実績が発表された。商品販売額は3763億5400万円で前年同月比(以下、前同比)99.6%。猛暑により季節家電は前同比120%台となったが、全体的に前月に比べて販売額の伸長率は鈍化し、商品販売額全体の前年実績プラスは2カ月連続でストップした。

7~9月の第2四半期は前年同期比102.9%だが、4~9月の上期では同99.0%

3月決算企業にとって9月は上期が締まる月だ。2023年4~6月の第1四半期の商品販売額は前年同期比95.0%で前年割れだった。しかし、7月に入ってからは気温が急上昇し、9月に入ってからは異例ともいえるほど長い残暑が続いた。

その結果、家電大型専門店の商品販売額は7月が前同比105.0%で、8月も同103.9%と2カ月連続で前年実績を上回った。

9月単月の商品販売額は前述のとおり前同比99.6%。AV家電や情報家電、家事家電、住宅設備家電は前年割れで、カメラ類も前年プラスはキープしたものの5カ月続いていた2桁伸長は1桁台に鈍化した。いずれの分野も前年の22年9月が伸長しており、その反動もあったといえるだろう。

これらの結果から23年7~9月の商品販売額は前年同期比102.9%で前年実績プラスとなったが、23年4~9月の上期は同99.0%で前年割れだった。

カメラ類の上期販売額は前年同期比113.3%で2桁増

9月の分野別販売実績はどうだったか。「AV家電」は前同比95.6%。実に29カ月、約2年半にわたって単月での販売額は前年割れが続いており、まさに長期低迷状態といえるだろう。上期の実績は前年同期比93.4%。小分類のオーディオ家電は同98.7%だが、ビジュアル家電は同91.7%で、テレビの販売不振状況は続いている。

「情報家電」は前同比85.8%。7カ月連続で前年割れとなっており、上期は前年同期比94.7%。小分類の情報家電本体は9月が前同比84.0%で、上期は95.9%。同様に周辺機器は前同比87.9%で、上期は93.3%だった。

「通信家電」は前同比105.9%と伸長し、上期でも前年同期比102.0%と前年実績プラス。「カメラ類」は23年1月以降、前年プラスが続いており、9月は前同比106.2%で上期も前年同期比113.3%と2桁増で推移している。

「生活家電」は9月が前同比107.0%、上期は前年同期比101.2%。生活家電は小分類として家事、調理、理美容、季節、その他の五つに分かれているが、上期は家事と調理、その他が前年実績を下回り、理美容と季節が前年プラスとなっている。

理美容家電は22年10月から単月での前年プラスが続いており、9月が前同比111.2%で上期は前年同期比110.8%と伸長。季節家電の9月は前同比127.6%。この夏の猛暑で7~9月の3カ月間は前同比120%台で推移したが、第1四半期が前年同期比82.6%と前年割れだったため、上期では同102.1%となっている。

照明器具や温水洗浄便座、ヒートポンプ給湯器、太陽光発電などの住設家電の9月は前同比98.2%で、上期も前年同期比97.4%だった。

9月は生活家電の販売額構成比が43.3%に

全体の販売額に占める6カテゴリの販売額構成比を見ると、9月は「生活家電」が43.3%を占めたものの、夏季よりも構成比はダウンした。AV家電は12.7%、情報家電は19.1%、通信家電は10.3%、カメラ類は3.1%。上期で見ると生活家電は47.3%で、依然として商品販売額のほぼ半分を占めていることが分かる。

生活家電の販売額を100%として前述の小分類別構成比をみると、9月は調理家電が34.2%で生活家電全体の約3分の1を占めた。家事家電は30.6%、季節家電は7月には生活家電全体の42.2%を占めていたが、9月は生活家電全体の4分の1に当たる25.0%で、理美容家電は10.2%だった。

上期では季節家電が34.0%で、調理家電が30.3%、家事家電が26.8%、理美容家電が8.8%となっている。

すでに公表された家電量販企業の10月の月次速報によると、前年実績に対して90%台の企業が多かった。全体的に家電の買い替えサイクルは長くなっている傾向にあり、さらに物価上昇という逆風も吹いている。家電量販店の全体傾向を把握するためにも次月の発表を待ちたい。

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