TikTokがデジタルの世界を「ちょっとよくする」コンテンスト

 動画投稿アプリTikTokによる「#ちょっとよくするムービーコンテンスト」授賞式が11月25日、都内で開催され、アンバサダーとしてAKB48の込山榛香、クリエーターのISSEI、ginjiro、Erikaが登壇した。

 多様な意見やアイデアがあふれるTikTokの世界を、学校や家庭に続いて安心できる場所にする「TikTok 第三の居場所プロジェクト」の一環で、デジタルの世界を「ちょっとよくする」アイデアをテーマに動画を募集。約1800件の応募から10作品が表彰を受けた。

 表彰式に続いて開催されたトークセッションでは、込山が「ファンが感想を投稿してくれたり、SNSを見て初めて知って好きになってくれる人がいて、世界の中心にSNSがあると感じます」とTikTokをはじめとするSNSの魅力を語った。一方、ファンとは対極にある「アンチ」からの誹謗(ひぼう)中傷が問題となる中、批判的なコメントをどう感じるかという質問には「ネガティブでも関心を持ってくれるなら、知られていないより今後プラスになるかもしれないと変換して受け止めています。それでも受け取れない言葉は即ブロックします」とコメント。

 「うれしくない言葉はうれしい言葉より100倍心に残るけど、人それぞれ考え方が違うのでそういう考えもあると軽く捉えるようにしている」と対処法を語り、「うれしいコメントだけ受け取れば、居心地のよい場所になる。10年アイドル活動をしてメンタルが鍛えられました」と笑顔を見せた。

 他の登壇者も「SNSを通して救われたことの方が多いけど、悩んだ時期もある。相手を変えることは難しいので、自分の中で捉え方を変える」(Erika)、「いい動画はいろいろな人が見るので、アンチも増えるけど、どんどん来てくれたら再生数が伸びる」(ginjiro)、「自分が一つのストーリーの主人公というか、苦悩もいい体験になると勝手に解釈している。短期的ではなく、長期的に考えるのが大事」(ISSEI)と考え方を披露した。

 本コンテストは東京大学の湯浅誠特任教授や国際大学の山口真一准教授、評論家の荻上チキ氏が審査員を務めた。トークセッションを受け湯浅氏は「皆さん苦労しながら頑張っている。私も活動していると批判を受けるけど、止めるかといったら止めない。SNSで発信するのも大事な居場所の一つ」。

 山口氏は「インターネットは言いたいことがある人だけがいくらでも言える言論空間。一見すると全世界が敵になったかのように見えても、実はごく一部が発信しているだけということも結構起こる。バイアスが起きて一部の声が目立つ状態としてネットに向き合うことも必要」と感想を語った。

 最後に荻上氏が「インターネットは多くの人たちが居場所と捉えると同時に、今はまだ誰にとっても安心な場所ではないことも知っていただけたのかなと思う。こうした機会を重ねて安心な場所に一歩でも近づけていければ」と締めくくった。