室屋義秀 (C) Red Bull Content Pool 室屋義秀 (C) Red Bull Content Pool

4月17日にNHK総合にて放送された、嵐の相葉雅紀がMCを務める番組『グッと!スポーツ』に日本人唯一のレッドブルエアレース・パイロット、室屋義秀が出演。エアレースの魅力と自身の半生について語った。

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相葉はゲストとして出演したアンジャッシュの児嶋一哉とともに、室屋が活動の拠点としている福島へ。すると、室屋は飛行機でふたりを出迎え、きりもみや低空飛行などの曲技を披露。眼の前で行われるアクロバティックな飛行に相葉も児嶋も驚きを見せた。

空気で膨らませた高さ25mのパイロンで構成された低空の空中コースを、時速370キロのスピードを出す機体で周回しタイムを競うエアレース。パイロンに当ったり、通過時の機体の角度を水平に保たないとペナルティが加算されるなど、スピードのほかにも細かい操作が必要になる。2017年のインディアナポリス最終戦で、強風の中、多くのパイロットがペナルティを加算される中、室屋はトップスピードで機体をコントロール。見事、2017シーズンワールドチャンピオンを獲得した。

その繊細なコントロールの秘密は、サムライスタイルと呼ばれる操縦桿の握り方。多くのパイロットが片手でスロットル、もう片方の手で操縦桿を握る中、室屋はスタート直後にフルスロットルにし、両手で操縦桿を操作し、機体を緻密にコントロール。室屋曰く「教官には激怒される」とのことだが、ある人に「両手で持ってみたら?」と言われ、半信半疑で試した所、操縦が安定したとのこと。

そのあと、話は室屋の半生へ。パイロットを志したのは機動戦士ガンダムを見て、主人公アムロ・レイに憧れたのがきっかけ。20歳で単身アメリカに渡り免許を取得。24歳で曲芸飛行の練習をはじめ、半年で世界選手権に出場するものの結果は散々。そこで自身の飛行機を持とうと決意するが、中古でも3000万はする機体を買うお金はなく、スポンサー探しの日々。知人や友人に借金し、29歳で機体を手に入れるものの、今度は維持費や燃料費がない。そこでテレビで見た社長のもとへ向かい、熱意を語り資金提供を受ける。ちょうど福島で農作物を運ぶ空港ができ、1999年からそこで練習を開始。空港閉鎖の危機が訪れるも、室屋のエアレースにかける情熱に心打たれた地元の方の支援で、飛行場は継続。2007年に大企業がスポンサーにつき、これからという矢先に、東日本大震災が起き、滑走路は半壊。さすがの室屋もこの時ばかりは出場を予定していた世界選手権の出場を取りやめようとしたが、ここでも地元の人の熱い受け、世界選手権に出場。昨年のワールドチャンピオンを獲得した会見で室屋は「福島の方々の支援のおかげです」と感謝を口にした。

ラストは相葉が室屋の飛行機に同乗し背面飛行などを体験。最初は怖がっていた相葉だったが、同乗後は「めちゃくちゃ楽しかった、俺もエアレースに出たい」と興奮した様子で語っていた。

室屋も出場する「Red Bull Air Race Chiba 2018(レッドブル・エアレース千葉2018)」は5月26日(土)・27日(日)に千葉・幕張海浜公園で開催。