K-POPサバイバル番組にハマる理由とは?

【父娘のリレーブログ:K-POPとその周辺のお話・9】 “日プ”こと「Produce 101 Japan The Girl」というサバ番(サバイバルオーディション番組)が12月16日に最終回を迎え、デビューメンバー11人が決定しました。当日は地上波で生中継されるほど注目されていたようで、筆者もリアルタイムで視聴して、その後も土日はずっと日プの余韻に浸っていました。筆者のプロフィールにも書いていたように、このサバ番には大注目しており、国プ(国民プロデューサー:投票する視聴者)でもある筆者にとっては最高の結末となりました。

“日プ”についての説明はネット上にたくさん情報がありますので、ここでは詳しく説明しませんが、このサバ番は韓国エンターテイメントチャネルで有名なMnetや、エンターテインメント事業を運営する韓国企業「CJ ENM」が日本でも同パッケージを展開するにあたり、吉本興業と合弁会社「LAPONEエンタテインメント」を設立して2019年からスタートしたものです。ルーツはK-POPから来ていますが、サバイバルに参加する101人は日本人というところが面白いです。

今回は初めてガールズグループをデビューさせることになり、番組制作発表からどんな練習生が参加するのか筆者も注目していました。そして、かつてK-POPグループ「Cherry Bullet」として1年ほど活動したのち、理由も分からず突然脱退してしまったKOKORO(今回は本名の加藤心)が参加すると分かってからは、最終回まで祈る思いで投票を続けました。

ここでCherry Bulletについても少し触れておこうと思います。Cherry Bulletは韓国の中堅事務所であるFNCエンターテイメントから2019年にデビューしたガールズグループです。当初は3人の日本人を含んだ10人で活動をしていましたが、その年の年末にKOKOROを含めた3人がグループを脱退、そして事務所との契約も終了するというショッキングな発表がありました。筆者はその年末に開催された「2019 FNC Kingdom」というイベントでKOKOROのパフォーマンスを観るのを楽しみにしていたのですが、その念願が叶わなかったのをよく覚えています。その後もCherry Bulletのファンでいることは変わっていませんが、心の中ではKOKOROの脱退理由やその後の動向にモヤモヤしていました。

それが日プで4年ぶりに表舞台に挑戦しようとしていると聞いたら、これは国プとしては応援せざるを得ないではないですか。彼女の心境や決意の真相は本人のみぞ知るですが、「夢だったものを諦めざるを得なくなって(韓国から日本に)帰ってきた」と話していましたので、本人の意思ではないのでしょう。それでもまたアイドルをしたいという気持ちになってくれた彼女を応援しました。

サバイバル番組のフォーマットは観る人をハメるシナリオ

日プを見るきっかけは加藤心ですが、もちろん他の練習生のことも応援しました。日プは、最初のうちは毎日12人に投票することができます(Lismo経由で1日2回の投票が可能)。これは、番組のフォーマットとして、練習生を満遍なく見る気持ちが生まれることを狙ってのことだと思います。

そして筆者も、いつの間にか運営の策略にまんまとハマってしまいました。加藤心のほかにも、K-POP界隈では名の知れた櫻井美羽、BLACKPINKブラックピンクのROSEロゼを彷彿させる艶やかな歌声が魅力の高見文寧、ダンスや歌のレッスン経験がないのに妙な魅力を持った佐々木心菜、「脱クラシック」で注目された飯田栞月など、この3ヶ月弱の番組を通して努力をし、成長していく練習生の姿を見ることが日々の楽しみでした。

番組が始まった当初は元アンジェルムの笠原桃奈と加藤心のケミ(2人ペアによる化学反応)がクローズアップされて毎週のように感動していました。そのおかげも多少あるかもしれませんが、加藤心は常に2位以内をキープしていました。そして番組が進むにつれ、投票は1日に2人(2ピック)に変わります。その頃になると国プの皆さんも推しが固まってくる頃なのです。ここからは大衆人気が高い練習生であっても熱狂的なファンダムが弱いと急に順位が下がります。

熱狂的なファンダムが形成される主な場所はX、インスタグラム、TikTokなどのSNSです。推しメンバーの魅力をふんだんに盛り込んだ動画を作って公開する、またファンダムに名前をつけてコミュニティを生み出すこともファンダムの結束力を高めることに繋がっていきます。今回の加藤心は、4年のブランクがあるため、当時のCherry Bulletを知らない国プの方が多く、また彼女自身の年齢が21歳ということもあり、2ピックになった後の順位が8位まで下がってしまいました。

番組の主なコンテンツは、練習生がさまざまなバトル(パフォーマンスを披露)で評価されることで、ベネフィット(投票数に上乗せされるポイント)を受けることができるというものです。そのため練習生は一生懸命にレッスンを受けます。レッスンを通して、本人も知らなかったような才能に目覚めたり、新たな魅力を見つけたりなどして覚醒する練習生も多くいます。

また、バトルをするために新たに書き下ろした楽曲も多くあり、それだけでも価値があります。現在は多くの音楽配信サービスでも扱われていますので、ぜひご一読をおすすめします。ちなみに筆者が一番良いと思った曲は「AtoZ」です。アップテンポな楽しくなる曲なので毎日聴いています。

2ピックの順位発表がされた後は、最終デビューメンバーを決める投票は1日に1人(ワンピック)となります。筆者は歳のせいもあり日常的にSNSを使いこなせていないので、ファンダムを増やす努力はできませんでしたが、毎日2票ずつ願を掛けながら加藤心に投票し続けました。そして、最終結果発表の際には、サバ番のフォーマット通りに、ギリギリデビューの11位発表を番組のラストまで残しておくという演出のせい(おかげ?)で、加藤心が最後の最後にデビューメンバーに滑り込むというドラマがありました。

そしてセンターポジションとなる1位の座は笠原桃奈が獲得しました。このようなラストを迎えて、当然ながら筆者は号泣したわけであります。

新しく誕生したグループ「ME:I」に期待

このように、サバ番は用意周到なフォーマットがあり、知らず知らずのうちに視聴者はハマってしまうのです。筆者も分かっていながらも自らハマってしまいました。

偶然ではありますが、今回のデビューメンバーは、超絶ボーカル、プロダンサー、キレキレラッパー、ビジュアルなどすべてが揃ったガールズグループとなりました。それぞれのメンバーについては各種ニュースサイトで発表されていますのでご確認ください。

そして、新しく誕生したグループは「ME:I」(ミーアイ)というグループ名となり、早くも来年3月にはファンミーティングを開催するそうです。筆者はチケット販売の時にはもうファンクラブのメンバーになっていると思われます。最近ではいくつのファンクラブに入っているのか確認するのも面倒になってきました。