それからしばらくは神殿の中で厳かに祭事が執り行われ、ようやく豆まきがスタート。琴欧洲の隣に今度は仮面宣伝マンの姿も見つけることができたが、そこからが本当の戦争だった。

 

撮影:熊谷仁男
  

邪気を祓い、運気と幸運を招き入れるように威勢よく豆をまく仮面宣伝マン。よ~く見ると、『仮面ティーチャー』のファンらしき若い女性たちもそこここにいるようだ。だが、辺り一面人、人、人で仮面宣伝マンになかなか近づくことができない。それどころか、みんなジャンプをして豆をつかみ取ろうとするから結構危ない。

でも、そこは心優しい仮面宣伝マン。後から聞いたら、ファンの人たちを確認できたようで、ちゃんとそこに向かって豆を投げていたのだ。

 

こうして、実りのある豆まきは大興奮の中、20分ほどで終了。つめかけた多くの人たちが満足そうな笑みを浮かべながら日枝神社から去っていく。

ところが、豆まきが終わったというのに、舞台から離れない人たちもまだ大勢いる。そう。その残った人たちこそが、この日集まってくれた『仮面ティーチャー』と仮面宣伝マンのファンの方々だったのだ。

仮面宣伝マンはそのときに思った。みんなに感謝の気持ちを表したいと。そこで、日枝神社のご厚意で舞台にただひとりもう一度現れ、みんなのカメラに向かってポーズをとり、深々と頭を下げた。たぶん、仮面の中では満面の喜びの笑みを浮かべていたに違いない。

そう確信できるほど、仮面宣伝マンとファンの方々の心がひとつになった瞬間だったのだ。