映画『万引き家族』の完成披露試写会が25日、東京都内で行われ、出演者のリリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、樹木希林、子役の城桧吏くん、佐々木みゆちゃんと是枝裕和監督が登壇した。
本作は、東京の下町を舞台に、犯罪でしかつながれなかった家族の“許されない絆”を描いた衝撃作。息子と協力して万引きを重ねる父・治をリリー、その妻・信代を安藤、彼女の妹・亜紀を松岡、家族の“定収入”として年金を当てにされる祖母・初枝を樹木が演じた。
本作は「71回カンヌ国際映画祭」のコンペティション部門に正式出品されることが決定している。『海街diary』以来、3年ぶり5回目の出品となる是枝監督は「できたてホヤホヤの作品。先週、初号試写で今日が完成披露。来月にカンヌということで事態が先に進んでいっちゃっているので、追い付くのに精いっぱい」と率直な思いを語った。
続けて「各世代で僕が一番撮りたいと思う役者を集めて作った映画。彼らと過ごした濃密な時間が、映画の中にもみなぎっていると思う」と自信をのぞかせた。
一方、これまで何度も「是枝組」に参加してきたリリーは「こんなに長く撮影に参加したのは初めて。いつもは『早く終わらないかな』と思いながらやっているけど、今回は『終わってほしくないな』とずっと思いながらの2カ月でした」と告白した。
「家に帰って1人ポツンとしているより、この家族たちといる方が心地よくなってきて。いつもは貧乏なランニング一丁の祥太(息子役の桧吏くん)が、おしゃれな服に着替えて、本当のお母さんと帰っていく姿とかも僕は見たくなくて…」と切なげに振り返り、笑いを誘った。
さらにリリーは「この映画は“万引き家族”ですが、この前、樹木さんと一緒に取材を受けたときに、『あんたの今着ている服をちょうだい』と言われて“追いはぎ家族”をされました。それが今、樹木さんが着ている服なんです」と驚きのエピソードも披露した。
司会者から真相を問われた樹木は「あまり高そうでもないし。前に私、(リリーに)あげたものがあるのでちょうどいいんですよ」とあっけらかんと語り、会場を盛り上げた。
映画は6月8日からTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー。