映画『Vision』の完成報告会見が26日、東京都内で行われ、出演者の永瀬正敏、夏木マリ、岩田剛典(三代目J Soul Brothers/EXILE)、美波と河瀨直美監督ほかが登壇した。
本作は、河瀨監督が生まれ故郷の奈良県を舞台に製作した感動作。“幻の薬草”を求めて奈良・吉野の森を訪れたフランスの女性エッセイスト・ジャンヌ(ジュリエット・ビノシュ)は、そこで山守の男・智(永瀬)と出会い、言葉や文化の壁を超えて心を通わせていく。
今回、河瀨監督と3度目のタッグを組んだ永瀬は“河瀨組”ならではのエピソードを披露した。「“河瀨メソッド”といいますか、実際に撮影で使う智の家に、(撮影の)2週間前から、かわいい犬と暮らさせていただいたんです。役作りではないのですが、智と(自分の)血液、心を入れ替える作業を丁寧にやらせていただいた。山守さんからチェーンソーの講義なども受けました」と明かした。
一方、智の目の前に突然現れる謎の青年・鈴を演じた岩田は、河瀨作品初参加。現場では「洗礼をたくさん受けた」そうで、「演じるのでなく(役として)生きる、暮らすというところで、衣装合わせの段階から、同じ会場に(共演の)夏木さんや森山未來さんがいらっしゃってもごあいさつできなかった。つまり役の中で会わない人物とは、『一切口を聞くな。目を合わせてもいけない』と監督から言われていて…。そういう取り組み方も初めてでした」と振り返った。
さらに岩田は「本当は『クランクインの1カ月前から森で暮らしてくれ』と言われたのですが、ツアー中だったので物理的に難しかった」と苦笑い交じりで打ち明けた。
それでも“納屋での生活”を体験したそうで「寝起きとともに顔にカメムシが3匹付いているような(環境)。虫と共存していました」とほほ笑んだ。
河瀨監督から「帰ってから三代目メンバーに心配されたんだよね?」と突っ込まれると「はい。顔つきが違ったみたいで『大丈夫?』『本当に森の人になっているよ』と言われました」と語り、笑わせた。
映画は6月8日から全国ロードショー。