動物を扱う3ヶ条「信じること」「願うこと」「諦めること」

「できますよ。ただ犬と違って、トレーニングしたことを自宅以外で発揮できないのが猫なんです。

それこそ、お家ではお座りもするし、お手もして、もう犬みたいですね~って言われる子はいるんです。ただお家じゃないところ、例えばテレビ局のスタジオに連れていったときに、できないのが猫なんです。“猫は場所につく、犬は人につく”って言いますけど、猫は場所が変わることによるストレスや緊張感がすごく大きな動物なんですね。

中には、『ねこタクシー』(’10)で使ったみーすけのように、どこでも大丈夫な猫もいますよ。ただ、あの子も大人になってから私たちのもとに来たので、いちばん最初は警戒してシャー!って言っていました。ただ撮影現場の積み重ねの中で、いちいち怒るのも面倒臭いな~、もういいかな~という諦めともとれるも態度を見せるようになって。すごいマイペースなんです」

北村さんには動物を扱うときの3ヶ条があるという。それは「信じること」「願うこと」「諦めること」の3つ。
 

「“あなたならできる”ってまずは信じてあげて、次に“難しいかもれしないけど、できるかもしれないよね。頑張ろうか!”という気持ちで願う。

そして3つ目が“これだけ頑張ってもできないんだから、やめようか!”っていう諦めですね。

この3つが動物の撮影では絶対に必要なことだし、監督にも状況に応じて“ここは粘っても無理だと思いま~す”とか、猫は自然にしておいた方が思わぬ動きをすることがあるので、“ここは長回しで、ちょっと放置してみましょう”って言ったりします。動物を追い詰めてもストレスが溜まるだけで、決していい答えは出ないので、そういった切り替えをしてもらいましたね」


「でも今回は、何よりもキャスティングに救われました」としみじみ振り返る。