「動物は動物好きが分かるって言いますけど、猫は特にそうだと思います。自分を受け入れてくれたり、安心できる存在だって分かると、表情が落ちついていきますからね。そういう意味では、今回、北村さんがとても猫好きだったことが大きいですね。

非常に助かりました。北村さんは猫を抱き慣れているし、猫が安心する抱き方を体得されている。抱っこされた瞬間に、猫たちもそれが分かったんだと思います。

あなごなんて、お芝居が終わると自分からぴょんと入るバッグがあるんですけど、北村さんに抱っこされているときや膝の中に納まっているときは、私はこっちの方がいいです、みたいな馴染み方をしていたし(笑)。猫たちの安心した表情は北村さんが引き出してくれたと思います」

劇場版では、北村があなごを懐に入れた状態で敵役の寺脇康文と立ち回りをするシーンが登場するが、それもドラマ版で培ってきた信頼関係があったからできたことだ。

「台本を読んだときに、立ち回りってどうやって撮るのよ? と思って、倒れそうになりました(笑)。でも、実際の撮影では、あなごが北村さんに完全に身を任せちゃっていたから、刀が自分の顔のギリギリのところを通っているのに、自分から逃げ出そうとはしなくて」

 

 北村一輝の『猫侍』への貢献はそれだけではない。