(左から)川栄李奈、橋本環奈、上白石萌音、福地桃子 (C)エンタメOVO

 舞台「千と千尋の神隠し」製作発表会見が29日、東京都内で行われ、出演者の橋本環奈、上白石萌音、川栄李奈、福地桃子、醍醐虎汰朗、三浦宏規、増子敦貴(GENIC)、夏木マリほかが登壇した。

 本作は、宮崎駿の不朽の名作をジョン・ケアード翻案・演出によって世界で初めて舞台化した作品の再演。2022年の初演から主人公の千尋を演じる橋本と上白石に加え、新たにオーディションを経て川栄と福地が加わり、4人の千尋によって日本での全国ツアー、さらには英国・ロンドンでの海外公演も上演する。

 稽古はそれぞれのスケジュールに合わせて行われたため、千尋役の4人がそろうのはこの日が初めて。仲の良い様子を見せる4人だが、上白石は「稽古場ではついにそろわなかったんです。でも、同じだけ走って転んでということをしているので、同志です」と言葉に力を込めた。

 初演時、初舞台にして主演を務めた橋本は、「本当に右も左も分からず、毎日覚えることもたくさんある。新しいことだらけで、こんなに感情が動くことってあるんだと自分でも驚いた。役者人生の中で、絶対に何十年経っても忘れられない役、作品になったと思っています。この先、色々な役を演じても千尋という役は色あせないし、千尋と私は忘れられない関係性になったんじゃないかと思います」と当時を振り返った。

 一方、橋本と一緒に初演時から出演する上白石も「私にとっても大切な作品で、他のことをしていてもずっと千尋が心の中にいる感覚があります。街で10歳くらいの子を見かけると、目で追ってしまうんです。10歳の子はどう立つのかな、どう走るのかなって、千尋のために子どもを研究をしている自分がいる。ずっと心の中に千尋を飼っているんだなと感じます」と語り、ロンドン公演に向けて「言葉が違っても体や空気感をそのまま届ける時間になるのかなと思います。日本人としての心を持って真っすぐ向き合いたいなと思っています」と意気込んだ。

 今回から新たに千尋を演じる川栄は、「オーディションに受かってうれしいと同時に、不安も大きかった。それを解消できるように(橋本と上白石の)二人からたくさん教わろうと思います」とコメント。稽古場では橋本がキャストたちに「大丈夫、できるできる」と声をかけて励ましてくれることも多かったそうで、「(橋本は)初めてお会いした時に、年上かなと思うくらい、悩みも聞いてくれた。『スナック環奈』みたいだった」と明かした。

 同じく新たに千尋を演じる福地は「まだ千尋としてこの場に参加していることが不思議でたまらない気持ちです。稽古場では、匂いや音、いろいろなところから感動させていただいているので楽しくて仕方ないです。舞台としてこの作品をお届けできることをとても楽しみにしています」と語った。

 舞台は、3月11日~30日に都内・帝国劇場ほか、ロンドン、愛知、福岡、大阪、北海道で上演。