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――SEX MACHINEGUNSの「面白いこと」を全面に出すスタンスは当時のヴィジュアル系シーンの中でかなり特殊だったと思うのですが、風当たりなどはありましたか?
Anchang:風当たりは…あたりまクリスティでしたよ!
閣下:最初からヴィジュアル系シーンという場所にいたんですか?
Anchang:簡単な話で、その当時は「バンド=ヴィジュアル系バンド」っていう時代だったじゃないですか。ただヴィジュアル系の火付け役といえばX(JAPAN)先輩がいるわけで。ジャンル的にはメタルじゃないですか。蓋を開けてみれば、ジャンルはなんでも良かったんだよね。ヴィジュアル系って。
手段のひとつといえば聞こえが悪いかもしれないけど、事実ですよね。ヴィジュアル系シーンの中に入っていかんと、次の展開がないんじゃないかって。それでメンバー全員で原宿へ「これから衣装を買いに行くぞ!」と買いに行きました(笑)。
閣下:メンバーの人も、化粧をすることには抵抗はなかったんですか?
Anchang:オレ自身もアタマの固いメタラーだったんですよ。
でも、当時いろんなバンドをやったりしていたのだけど、あの頃はヴィジュアル系が一番活気づいていて、行動力があった。
インディーズバンドブームということもあって、自分たちでなんとかするっていうスタイルをみんなが持っていたから。そこに感動したんですよね。「こういうことなんだ!」と。
そういう風に行動しないと、いくら自分たちが良いものやっていたとしても、「良い」って判断をしてもらえない。それで、ヴィジュアル系に対して抵抗がなくなっていったというか。
SHINGO☆:僕はマシンガンズには途中から入ってるんですけど、僕も中学の頃とか『みかんのうた』とか聴いてましたし、コピーもしたものなんですよ。
いざ入ってみると、イメージしてたSEX MACHINEGUNSと違っていて…。1音でも音を間違えるとぶっとばされるというイメージだったんですけど(笑)。
でもAnchangはそうではなくて。精神的なところですよね。面白いことをやっているバンドという第一印象だったんですけど、中身は違うぞと。このAnchangという人間は考え方から何までメタルなんだなと。
――当時から『みかんのうた』や『ファミレスボンバー』など、楽曲のタイトルや歌詞も衝撃的でしたよね。
Anchang:歌詞に関しては当時は面白いことをしようと思ってなくて。だって事前に「今から面白いことをします!」って宣言すると、全然面白くないじゃないですか(笑)。
あとはヴィジュアル系に入ったとはいえ、最初はお客さんがこっちを向いてくれないんですよね。まずはこっちを向いてもらわないことにはと思って。そういう意味での歌詞やパフォーマンスにはこだわっていました。当時からお目当てのバンドが終わっちゃうとお客さんが出て行ってしまう傾向はあったので…。
閣下:私たちは今まさにそういう状況ですね!ホントに(笑)。
みなさん目当てのバンドが終わったらすぐ帰りますからね! 振り向いてもらいたいっていうのは私たちも考えているところで。なにか一番見えやすいキャッチーな部分を出して「なんだろな?」と、興味を持ってもらえたらと思っています。
これから続けていくうちに無くなっていくのかもしれないけど、「気を引きたい」というのは変えちゃいけないんだろうなと、今のお話を聞いてて思いました。