「息子が1歳になるまで家族で家にいたのは合わせて数ヶ月程度。それでも妻が仕事に復帰したら家庭が中心になるとまだ信じていました。

ところが、息子を保育園に入れてからは妻の両親が『君も仕事があって大変だし、孫の迎えは私たちがやるから』と言い出して、ありがたい気持ちはあったものの『また実家が中心になるな』と不安が強かったですね。

案の定、妻は仕事が終わったら実家に直行して僕たちの家には帰らず、そのまま息子と晩ごはんを食べるようになって。洗濯やら掃除やらがあるので僕は家に帰るのですが、ひとりのリビングでご飯を作って食べるのは本当に虚しかったですね……。

それまで強く非難したことは一度もなかったけれど、さすがに耐えかねて『君の家はこっちだろう。もっと3人で過ごす時間がほしい』と言ったら、

『うちの親だって孫と過ごしたいのよ。私は仕事をして疲れているし、あなたがうちの家事やこの子の世話を全部やってくれるの?』と顔をしかめながら返されて、『もうダメだな』と思いました。

実際に家事はほとんど僕がやっていて、育児はしたくても手を出させてくれない状態で、息子は僕より妻の両親に懐いています。

離婚も考えたけれど踏ん切りがつかず、息子が3歳になった今も仮面夫婦のままですが、妻との関係より息子が健やかに育つことだけを考えて生活している状況です」(35歳/営業)

いつまで経っても自分の実家、両親に頼ることを当たり前にする配偶者とは、自分の家庭をないがしろにされるためうまくいかないケースを多く見聞きします。

なかには妻の実家依存を逆に利用してラクをする夫もいますが、それが正常な夫婦関係といえるかどうかは疑問です。

いわゆる親離れができていないと、子どもが産まれてからはいっそうに夫婦の溝が深くなります。子どもがいる状態でどう自分の家庭を維持していくか、一度は正面から現実を見る必要があると感じます。