城田優がプロデュースするエンターテインメントショー「TOKYO~the city of music and love~」が5月14日から開幕する。本公演は、東京の魅力をショーという形で世界に発信するために立ち上がったプロジェクト。城田が実力派クリエーター、キャストとともに歌とダンスのオリジナル・エンターテインメントショーを作り上げる。城田に、今回のショーの内容やエンターテインメント業界についての思いなどを聞いた。
-今回の公演タイトルに込められた思いを教えてください。
2021年に米倉涼子さんと一緒に演出、プロデュースさせていただいた「SHOWTIME」というエンターテインメントショーの成功を受けて今回のお話をいただいて始まった企画です。コンセプトは、「日本から世界に飛び出していけるショーを作る」。僕自身も、この日本で海外のような高いクオリティーのショーを作ったら面白いのではないかなという考えを持っていたので、それならば変なひねり方をせずにストレートに「TOKYO」とつけたらいいのではないかなと。つまり、これは世界中で公演することを前提としたタイトルでもあります。タイトルをつけた時点では、まだ海外公演は探っている段階だったのですが、今、シンガポールでの上演も決まりました。ですから、これを海外に持っていって、いろいろな国で上演するという思考からスタートしたというのがこのタイトルをつけた理由です。
-今回出演されるアーティストの方々は城田さんがオファーされたと聞いています。このメンバーに期待することやオファーされた理由は?
まず、音楽監督もお任せしているSWEEPさんは、歌がとにかくうまくて、音楽的なスキルや曲を書くセンスもすばらしく、尊敬できる方です。これほど高いスキルを持っているのに、まだあまり知られていないんですよ。なので、多くの方に知っていただきたいという思いもあり声をかけさせていただきました。僕は、良いクリエーター、良いアーティストはもっともっと知られるべきだと思います。だからこそ、今回は、僕自身がうまいと思う人、面白いと思う方たちをキャスティングしています。Rainy。ちゃんとyuzuちゃんは“将来枠”。彼女たちの将来性を買ってお声掛けしました。
ダンサーたちも僕がキャスティングしていますが、今回は“バックダンサー”という概念を壊したいと思っています。シンガーの後ろで踊るという、いわゆるバックダンサー的な意味合いはなく、全員が主役です。そういう意味でも、本当に面白いことになっていると思います。
-スペシャルゲストの皆さんも豪華です。
分かりやすく端的に言ってしまうと、このショーに華を添えていただきたいと思っています。そのために、日本を代表する活動、活躍をしてきた、そしてたくさんの日の目を浴びてきた方にお声をかけさせていただきました。華も実力もあります。それから、クリエーターの方たちも、共同演出の金谷かほりさんをはじめ、各セクションの日本屈指の方たちをそろえています。経験豊富でセンスの優れた、ユニークな方たちばかりです。皆さん、良いものを作るためには妥協しません。なので、打ち合わせも大変ですが(笑)、すばらしいショーになるのではないかと思います。
-俳優としてだけでなく、演出家、プロデューサーとしても活躍されていますが、城田さんが演出やプロデュースを通してやりたいことや目標としていることを教えてください。
僕が演出やプロデュースをしていく上で大事にしたいのは、第一にお客さまです。高いチケット代を払って劇場に足を運んでくださる方たちに、最高のものを見ていただきたい。そして、僕のこのショーに限らず、良し悪しをご自身で判断していただきたい。例えば料理でも、高いものはおいしいかもしれないけれども、安くてもおいしいものもある。それを“おいしい”だけでなく、自分で感じてほしいんです。僕は “本物”が評価されるべきで、“偽物”は排除されるべきだと考えています。ですから、今回も僕がセンスが優れている、ユニークだと思った方たちにお声をかけています。実力のある方たちに日の目が当たらなければ、エンターテインメントはだめだと僕は思っています。そして、日本のエンターテインメント界をエンタメ優先で、結果としてビジネスになっているものにしたいと考えています。今、こうしてお話ししているということは、それだけ今回のショーに対する皆さんの期待値も上がるだろうと思いますが、それも覚悟の上です(笑)。「確かにすごかった」と言っていただけるものを作るとここで宣言して、実は自分にハッパをかけているところもあります(笑)。これだけ言ったのだから、良いものを作るしかないと思っています。
-日本では「ショー」というもの自体があまりありませんが、今回のショーはどのような内容になるのですか。
おっしゃる通り、ミュージカルコンサートやクラシックコンサートはたくさんありますが、ショーはあまりないと思います。僕自身も見たことがないので、この「TOKYO」というショーを説明するのも難しいんですよね(苦笑)。ただ、だからこそ、確実に見たことのないものになると言えます。芝居っぽい雰囲気が入りながらも、歌、ダンス、音楽に照明やクリエーターたちの創作が混じり合い、一つの形として表現いたします。ショーを見終わって、(東京公演の会場である)東急シアターオーブを出たときに、渋谷の街を歩くのが楽しくなって、日本っていいな、東京っていいなと誇らしく思えるショーを作り上げたいと思っております。
(取材・文・写真/嶋田真己)
「TOKYO~the city of music and love~」は、5月14日~19日に都内・東急シアターオーブ、6月22日にシンガポール・Esplanade‐Theatres on the Bayで上演。