キャップ売却費は100%ワクチン代に。しかし…

エコキャップ推進協会のHPでも公表されている、収支報告を概算で見てみよう。
平成22年9月~平成23年8月、この一年間で収集したキャップは約21億個だ。

【収入】
計約1億1,000万円
内訳 売却収入約5,200万円(10円/kg)+寄付準備金からの繰入1,000万円(※1)+寄付金約31万円+活動支援金約3,000万円(5.8円/kg)+HPのバナー広告とロゴ使用料収入約1,200万円他

【支出】
事業費:計約6,700万円
内訳 ワクチン代1,800万円+震災義援金4,000万円(※2)+回収作業費約270万円(※3)+イベント費約290万円+寄付準備金約410万円他

管理費:計約4,000万円
内訳 役員報酬約430万円(※4)+ボランティア支払い約1,000万円(※5)+通信運搬・交通費約670万円+業務委託費約700万円(※6)+租税公費約540万円+賃借料約430万円他諸経費


※1 ワクチン代寄付が8月末ではなく2月のため、次期支払い分が繰り越される
※2 この年度は特別に東北4県への義援金があったが、通常はワクチン代金に充当
※3 特例として自費回収しているエリアも若干ある
※4 NPO法人は法律上、理事の三分の一までは役員報酬を得ても良い
※5 非営利目的の労働は有償でもボランティアと称する。本部に常時3~5名勤務
※6 業務委託の内容は、版権利用の営業や経理

事務所近隣の回収は協会経費

キャップ売却のほかに収入が多いことに驚くが、キャップ売却費の100%以上がワクチン寄付代に相当している(平成21年度以降。但し平成23年度を除く)。しかし、全収入からみると50%強だという指摘もある。

横浜市内の別のキャップリサイクルNPO「Reライフスタイル」や、実際にワクチンを購入するNPO「世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)」の収支を見ても、全収入に対する寄付額の割合は同様で、約50%はいわゆる運営コストに充てられる。

一方、例えば「日本ユニセフ協会」「ベルマーク教育助成財団」では、運営コストは約20%にとどまっている。

ペットボトルもキャップも資源価値が高いだけに…

廃プラスチックを巡る考え方は様々で、利害関係も複雑だ。ネットに書き込まれる誹謗に対し、永田さんは「書き直しても上書きされるので放っておく」というスタンスだ。

収入に対する寄付額の割合、送料との不均衡、一部リサイクル業者の利得など非難もある一方で、エコキャップ推進協会は、キャップの異物除去に障害者の雇用を確保するなど、資源・環境・福祉という活動理念を貫く姿勢だ。

 

取材を終えて

キャップがリサイクルされるまでの道のりは、シンプルとは言えず経費もかなりかかっているのは事実だ。

日頃ダイレクトにユニセフ等に募金を行なうならその方がベターだが、税金をかけて焼却処分や再利用処理されるプラごみがワクチンや義援金に換わるなら、そのノウハウ自体は意味があるだろう。
 
 

 

※本記事は2012年7月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。

 
 

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