現代人には<耳を澄ませる>ということが欠けています
ふむふむ、音とリラックスにはやはり深い関係があるんですねえ~。田中さんによると、自然の環境音が人をリラックスへと導く理由は、他にもあるのだとか。
「『Relamix』の音を聴いていると、昔を思い出すというか、ノスタルジックな気分になりますね。子どものころ山で虫を追いかけた木々のざわめきとか、秋に山道を歩いているときに聴こえる虫の音とか。
いま現代の人たちにいちばん欠けているのは、<耳を澄ませる>ということだと思うんです。子どものころはいまより好奇心も強くて、よく耳を澄ましていました。でもいまは耳を澄まさなくても、「聴こえさせてやる!」という音楽が多い。自然の音には、本当に耳を澄まさないと聴こえない音が入っています。だからこそ気持ちが惹かれるし、心がリラックスするのだと思います。
クラシックも、耳を澄ましていた時代に生まれた音楽。ショパンの『雨だれ』やベートーヴェンの『田園』など、自然をテーマにした曲も多いです。作曲家にとって自然の音は、インスピレーションの材料であり、大きなテーマだったんですね」
移動中でも自分のスマホや携帯音楽プレーヤーで音楽を聴き、家ではテレビやラジオで音を聴き……。どこにでも音楽があふれている時代、自分から聴こうとしなくても、耳の中はいつも音でいっぱいですよね。
そんな中であえて<耳を澄ませること>は、音という存在をあらためて再確認する行為なのかもしれません。そんなクラシックの世界をより広く深く知りたい人は、現在エントリー受付中の「クラシックソムリエ検定」に挑戦するのもオススメですよ。
では最後に『Relamix』を使って、田中さんにもオリジナルのリラックスサウンドを作っていただきましょう! はたしてどんな音がうまれるのでしょうか?
「馬の音は非日常感があっていいですね! では例えば、馬に雨の音を合わせてみるのはどうでしょうか?(音を聴く)……ああ、自分がこの音から発想するのは、モーツァルトは子どものころ馬車に乗ってずっと旅をしていて、街々の貴族の前で演奏をしていたんですよ。そんな情景が浮かんできますね」
サーサーと降りしきる雨音の中、遠くでパカラッパカラッと響くモーツァルトを乗せた馬の足音……おお、なんだかドラマチック! この音ならいい夢が見られそうです! 田中さんが作った音源は、『Relamix』サイトでダウンロードすることができます。
音の組み合わせは無限大。あなたもオリジナルの「リラックスできる音」を作って、じっくり耳を澄ませてみてください。きっと心地よい時間が待っているはずですよ。