自分の生命の危険を感じる夢。自分の嫌なことを経験する夢。いつも同じ夢を見るしかも悪い記憶が残る夢。人それぞれ体感度は違いますが、総じて「悪夢」といいます。
実はその悪夢。就寝前の行動によって、「よい夢を見るか」、「悪い夢(悪夢)を見るか」、「そしてまったく夢を見ないか」が決まることが、にわかにわかってきました。
誰でも悪夢は見たくないものです。夢を見ないことは不可能ですから、今回は悪夢の原因を探ってみましょう。
病気や就寝姿勢からくる悪夢
睡眠時無呼吸症候群などの酸素供給不足の場合、「苦しい」という気持ちが悪夢を引き起こすことがよく知られています。
自分は痩せているし、そんな症候群は関係ない方でも、うつぶせ睡眠などをすると、胸式呼吸の場合、肺が充分に膨らまない。腹式呼吸の場合は横隔膜の動きが制限された結果、酸素供給能力が低下し、やはり「苦しい」という感情が生まれてしまいます。
その場合、人間は自然に苦しさから逃れようと寝返りをうつのですが、布団が狭かったりして、寝返りをうてない環境にあると、苦しいままになってしまいます。そのときに起こるのが、一気に睡眠レベルが浅い眠りに悪化した結果、(息が)苦しいという悪夢を見ることになります。
太っている人は寝返りをうちづらく、ダブルベットに二人でねていると熟睡できないという人が多いのは、「寝返りを打ちづらい」という原因が考えられます。
またうつ病等の精神疾患からくる不眠の場合には、もともとの眠りが極めて浅いため、夢を見やすく、脳が不安あるいは不安定状態にある病なので、悪夢を見やすくなってしまいます。この場合、導眠剤等でなるべく深く眠る対処療法しかありません。
また精神を楽にする抗うつ剤の中には、悪夢を見やすくなる全く逆の副作用をもたらすものもあり、その場合は薬の変更を医師に申し出た方がよいでしょう。