「母は持病があって体が弱く、たまに寝込んだり入院したりすることがあります。物心ついた頃から、そんな母を真剣に心配しない父親が嫌いでした。

母が横になっているときは、父は家事はするけど母のために何かすることはなく、看病は私と妹がやっていました。元気なときもふたりが笑顔で話すところとか見たことはなくて、私も妹も当然母に懐いていたので、3人で過ごすことが多かったですね。

父は私たちには普通に接してくるけど、4人で楽しく外食したような記憶もなくて、動物園に出かけるときは母方の祖母が一緒のような状態で、父はひとりでタバコを吸いに離れることが多かったです。

親のこんな状態はおかしいのだとはずっと思っていたけれど、子どもでどこにも行けない私たちは、どうしようもないじゃないですか。

母のことは好きだけど、体調を崩せば私たちが着替えを手伝ったり体を拭いたりするから看病は大変で、そのこともプレッシャーでしたね」