――この調査をみていると「今後日本音楽が日本以外の国で普及するためにどのようなことが必要だと思いますか?」という質問で、一番多いのが「日本のミュージシャンの海外公演の増加」ですね。SCANDALは毎年のように海外で公演を行っている印象があります。海外人気の理由もそこにあるのかもしれませんね。

原田:それにSCANDALみたいなガールズバンドは海外に少ないですからね。昔だったらBanglesとかいましたけど。ボーカルだけ女の子ではなく、全員女の子で演奏しているという、そういう点でもユニークなんだと思います。
3年前にモスクワの日本関連のイベントに行ったら、お客さんのコスプレが半分スキャンダルで、もう半分はVersaillesだったという(笑)。

 

SCANDALは12年には日本人初のWindows 8 TVCM曲に選ばれたことも。


――「J-MELO Awards」のランキングも日本のチャートと比べると面白いですね。
たとえば、11年のランキングでは1位がL’Arc~en~Ciel、the GazettEが2位、モーニング娘。が3位、これは国内チャートと比べても中々違う傾向にありますよね。

原田:逆に日本以外はだいたいどこの国も同じ傾向にありますよ(笑)。
L'Arc~en~Cielのマジソンスクエアガーデン公演では世界中からファンが集まっていたし、UAEやロシアの日本の音楽ファンの子の取材をした時は、部屋中the GazettEのポスターだらけでした。

――ヴィジュアル系、とくにthe GazettEも人気はすごいですね。

原田:the GazettEは日本でも人気があると思うんですけど、彼らのサウンドって、ヴォーカル以外はほぼ洋楽的なんですよ。かなりコアな。それが理由で受け入れられやすいっていうのはあると思います。

先日、北京のAlice Nineの公演に取材にいったんですけど、みんなカッコいいですよね。ああいう綺麗でカッコいいバンドって今は日本以外で少ないみたいなんです。

それに、ヴィジュアル系に関心がある人は、100%日本のゴシックロリータのようなファッションに興味を持っています。
ファッションとヴィジュアル系は確実に結びついていて、MIYAVIくんやthe GazettEのコスプレをしている人は多いです。

また、the GazettEは英語のサイトを持ってますよね。海外のファンの人に対して入り口をきちんと作っているところも大きいと思います。

 

the GazettEは13年に約6年ぶりのワールドツアーを敢行、ヨーロッパと南米をまわる7カ国9公演で約2万人を動員した