J-MELOのスタジオ。VJのMay J.(左)・スペシャルコメンテーターのデーブ・スペクター(右)

日本の音楽を世界に紹介する「J-MELO」(NHKワールド制作)は、およそ140の国と地域に向けて放送している人気番組です。アニソン、ヴィジュアル系、アイドルグループetc…。今世界でどんな日本のアーティストが人気なのか? 今後の課題は? さまざまな疑問を番組の原田悦志さんにじっくり伺ってきました。

 

――「J-MELO」は放送開始から何年目になりますか?

原田:今年で10年目に入ります。当時はまだNHKワールドは番組を制作していなかったのです。そこで、日本の音楽を世界に発信することは今後大切なコンテンツになるのではという話になり、当時NHKワールドで音楽を専門にしている人が僕しかいなかったので番組を担当することになったんです。

スタッフも最初は僕ひとり、予算も少なくて、すべてが手作業だったんです。だからこんなに続くなんて思ってもみなかったですね。

――放送開始当初、視聴者からの反響はどのようなものでしたか?

原田:最初の半年はまったくありませんでした。届くべき人に届いてなかったというのもあるでしょうし、NHKワールドそのものがあまり見られてなかったこともあると思います。
アーティスト側も初めはPVをあまり貸してくれなかったんですね。「海外に出す?誰が観るの?」みたいな。そこから説得を始めないといけなくて。

放送開始から半年くらいして10通くらいのリクエストが来るようになって、そこに応えていったら段々広がっていきました。

――ちなみに、その頃のリクエストはどのアーティストが多かったのでしょうか。

原田:GACKTさんだったかな…今思えば。ただホントにちゃんとリクエストの統計をはじめたのは08年くらいなので、最初のうちは今みたいに何万通も世界中からくるようなことはありませんでした。