次回、2025年1月にラスベガスで開催決定!200名限定、先行受付開始

製造業のデジタル変革に挑むキャディ株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役:加藤 勇志郎、以下キャディ)は、2024年9月10日にアメリカ イリノイ州シカゴで「ものづくり未来会議in シカゴ」を開催致しました。

当日は、在米日系企業などのエグゼクティブ計107名が参加し、DENSO CORPORATIONのDirector 伊東貴博氏、YASKAWA AMERICA INC.のVice President 原英則氏、CADDi CEOの加藤勇志郎の講演を聴講、その後の交流会でも熱量の高いコミュニケーションが行われ、参加者満足度95%と大変盛況に終えました。



当日のイベントレポートを公開します。

■ 変革を進めるために必要なのは「覚悟」
最初のセッションでは、DENSO CORPORATIONのDirector 伊東貴博氏が「AIDX活用による設備づくり変革~グローバルでのナレッジサプライチェーン戦略」をテーマに熱弁を振った。



近年の製造業における市場傾向で労働人口の減少に言及した上で、DENSOの工機部も10年後には52%のベテラン勢が離脱すると述べ、「今がまさに潮目である」と伊東氏は言う。専用機業界の特徴として「変わらない属人化した働き方」を挙げ、「匠の技をいかに次世代に繋いでいくか。そのための抜本的な働き方の変革が急務である」と強調した。

同社では2023年よりデジタル化に注力。生産設備や製造に至るまで全工程においてデジタルツールを導入し、働き方を刷新する取り組みを動画を交えて紹介。今後のサプライチェーン戦略として、アメリカおよびASEANのデータをAIプラットフォームで繋いでいく構想にも触れ、「北米から成功体験をつくり日本を含めたアジアに広げていく」ことが肝要だと述べた。

また、講演の最後には「チームを本気にさせるためのリーダーシップ」にも言及。伊東氏自身が10カ国を訪問、初年度は1.5ヶ月で約400名と対話したエピソードなどを話し、コミュニケーションの重要性を説いた。Q&Aセッションで上がった「仲間を増やしていく過程で、関係構築のポイントは?」との質問には、「自分の言いたいことを一方的に伝えてもダメで、どうやって興味を持ってもらえるか、相手の心に響く言葉選びや伝え方の工夫が重要だ」と答えた。

■ 「 絶対に効果を出す」グローバル推進の要諦
次に、YASKAWA AMERICA Inc.のVice President 原英則氏が「安川グループが考える未来のものづくりコンセプトとアメリカでの実現」をテーマに弁舌を振るった。



来年110周年を迎える安川電機は、「新たな産業自動化革命の実現」を掲げ新しいモノづくりのコンセプトとして「i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」を提唱する。
「Integrated(統合的)、Intelligent(知能的)、Innovative(革新的)」の頭文字をとって、3つの「i」としている。製造現場の全てをデータで連携し、分析・解析を行い、ソリューションや新たなサービスを製品に組み込む。顧客の生産現場に合わせたソリューションの提供とそれを実現するシステムの開発・提供が重要な課題とし、「AIで利益を追求するつもりはなく、一部はオープンソースとして利用可能にする」との意向を原氏は示す。

同社はデータドリブンを「予め設定されたデータではなく、現場で稼働するセル内のデータをリアルタイムに収集・活用しながら生産を変化させていくこと」と定義。多品種少量生産を例に挙げて、「時間と労力がかかる匠の技をどう継承していくかが鍵だ」と説いた。

YASKAWA AMERICAは、直近10年で売上を1.5倍に伸ばしており、来年は$1billionの売上を目指す。開発拠点を含むグローバル約30ヵ国でネットワークを持つ同社の取組みとして、原氏自らの経験を元に、グローバル横断の開発リソースの可視化に関するエピソードなどを共有した。「具体的な効果を示しながら進めていくことが、海外との取り組みでは重要」と強調した。
■ 過去の経験をデータに。資産が循環する世界へ
講演セッションの最後に、CADDi CEOの加藤勇志郎が登壇し、「10年先の未来を創る、グローバルに求められる製造業のDXとは」をテーマに、製造業における眠った知見・経験の資産化の重要性を主張した。



日本のGDPの変遷を説明し、開国した1860年当時約2%だった時から戦後の1950年で約3%、高度成長期を迎えた1990年代は18%まで伸長。「これほど短期間で成長した国は歴史上他に例がない」と加藤は言う。しかし、2024年現在では4%まで下降し、昨年はついにドイツに抜かれて世界4位に転落したことに言及。日本だけがマイナス成長をし、2050年には2%まで落ちるとの予想も。「つまり世界に対する日本のプレゼンスは明治維新当時のレベルに戻る」と危機感を煽った。

「一人当たりの付加価値をどう向上させるか?」という問いに対して、生産性向上の一策として「資産化」を提案。資産化がなされれば複利的な成長が可能となるが、「日本の多くの企業は車輪の再発明を繰り返している」と指摘。”苦労して学べ”という美徳からの脱却が必要で、「過去の経験をデータに、データを価値に変換し、そこにグローバルで誰もがアクセスできるようにすることが重要だ」と述べた。

その解決策として、CADDiが提供する製造業AIデータプラットフォームを紹介。ERP、PDM、EDIなどのデータソースをグローバルで統合するのは困難とした上で、あらゆるデータソースから非構造化データを構造化し、そのデータからインサイトを抽出する。「SoR(System of Record)とSoI(System of Insight)を分けるというのが世の中的な潮流である」とした上で、「データの蓄積はローカルに、活用はグローバルに行うべき」と続けた。

結びには「日本の企業はROIが明確な機械への投資は得意だが、ROIの試算が難しいシステムへの投資は苦手である」と指摘。デジタル変革を成功に導く企業には「スピード・トップダウン・モビライザー」の3つの共通点があると強調した。

■ 「変革への熱量が伝わった」参加者の反応
今回の参加者はアメリカ国内だけでなく、日本やメキシコ、ベトナムなど国外からの来臨も。今回のイベントの満足度を聞いたところ、アンケート回答に協力いただいた87名のうち、95%が「満足」「大変満足」と回答。

【参加者の実際の声】※アンケートより一部抜粋
- 共感、感動、刺激を多く頂きました。日本の先人の方が築き上げたモノづくりの底力を諦めたくないと考えています。
- それぞれ素晴らしい公演で、とても刺激になりました。私も覚悟を決めてやり抜こうと思います。
- 各プレゼンターの方の内容に共感し、熱い気持ちにさせていただきました。我々も日本の製造業の一翼を担えるように精進して参ります。


講演のあとには懇親会が設けられ、冒頭に柳淳 在シカゴ総領事によるご挨拶も賜った。

左から、DENSO伊東氏、CADDi加藤、柳淳 在シカゴ総領事、YASKAWA AMERICA原氏

■ 今後のグローバル開催イベント予定
米ラスベガスで「モノづくり未来会議」開催決定!先行受付開始
日時:2025年1月9日(予定)
URL:https://use.caddi.com/ces-event
問い合わせ先:イベント事務局 us-events@caddi.com( 担当:西村)


キャディ株式会社
キャディ株式会社は、「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」をミッションに、製造業のデジタル変革を推進しています。製造業のエンジニアリングチェーン・サプライチェーン上のあらゆるデータを解析・関連付け、インサイトを抽出することで、人間の生産活動をより高度化する「製造業AIデータプラットフォームCADDi」を開発提供。2022年6月には、AI類似図面検索機能を搭載した図面データ活用クラウドCADDi Drawerをリリースし、製造業における重要データの資産化を支援しています。今後はサプライチェーンデータの資産化を促進するAI見積クラウド CADDi Quoteをはじめ、プラットフォーム上に様々なアプリケーションを提供予定です。累計資金調達額は217.3億円で、日本をはじめアメリカ、ベトナム、タイを含む4カ国で事業を展開しています。
https://caddi.com/


<会社概要>
本社所在地:東京都台東区浅草橋4-2-2 D’sVARIE浅草橋ビル(総合受付6階)
代 表 者:代表取締役 加藤勇志郎
設   立:2017年11月9日
資 本 金:1億円(資本準備金含み、217.2億円)
事業内容 :図面データ活用クラウドCADDi DrawerおよびAI見積クラウドCADDi Quoteの開発運営 URL   :https://caddi.com/
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