自然災害が頻発する昨今において、防災を日常に取り入れた新たな暮らし方を提案する書籍、『ラクして備えるながら防災 フェーズフリーな暮らし方』(辰巳出版)が2024年8月30日に刊行となりました。同日にはWILD-1多摩ニュータウン店にて、著者CAMMOCの3名(マミ・カナ・アヤ)によるトークイベントも開催されました。
トークイベントの様子(WILD-1多摩ニュータウン店)
WILD-1はキャンプ・釣り・登山用品などを展開するほか、アウトドアメーカーの機能性の高いウェアなども扱い、アウトドア用品の販売や快適なアウトドアライフを提案するサービスを提供。本書には多数のアウトドア用品も登場し、WILD-1はCAMMOCと全天候型TCドームテント「LaLa」をコラボ開発した縁があり、イベント会場となりました。
本レポートは、トークイベントの内容を編集したものです。
目次
■「フェーズフリー」とは何か
■防災意識が変わる? ほかの防災本と何が違うのか
■いつもを豊かに、もしもの時にも役立つ「衣」「食」「住」
■イベントを終えて
■「フェーズフリー」とは何かマミ:
「フェーズフリー」は“もしも”と“いつも”のフェーズをなくして、どちらものクオリティを上げて暮らす、そういう言葉なんです。フェーズをなくす、しかもどちらものクオリティを上げるなんて、そんなの難しそうだと思われるかもしれませんが、本の表紙を見てください!
ラクして備える、ながら防災。このズボラ感(笑)
誰でもできるんです。これが私たちならではのポイントです。
私たちは心地よく生きるということを日々大切にしています。無理をすると続かないので、防災もやりたいことを暮らしに取り入れてきた、そんなところが私たちの暮らしの特徴でもあります。
そんなふうに、私たちがやってみて「これよかったよ!」「ラクになったし、防災にも役立つよ!」みたいなことを、赤裸々におうちの中を大公開しながら話している、という内容になっています。
今日はアウトドア感あふれる店内でイベントさせていただくので、キャンプの話も交えながらお送りできればと思います。
カナ:
私たちはキャンプに関する制作会社なのですが、なぜ防災事業を始めたのか、という話をさせていただければと思います。
マミ:
「キャンプのある暮らし」をテーマに活動を始めて今年で13年目なのですが、キャンプで得られる知恵や感性が暮らしを豊かにすることを伝えてきました。ただ、数年前まではそこに「防災」というキーワードはなかったんです。
2019年に転機があり、自分たちが暮らす関東に猛烈な台風が来るというものでした。はじめて生命の危機を感じて真剣に防災に取り組まなければと思ったんです。
蓋を開けてみると、もしもライフラインが止まって例えば3日くらい過ごすことを考えた時に、必要な物がほとんど家にありました。ただ、万全ではなかったんです。
キャンプに行って帰ってきたままのランタンやモバイルバッテリーが、充電が切れた状態で置かれていて、電気が止まると充電ができない。キャンプ場で水を汲むウォータージャグはあるけれど、水道が止まったら水もない。
その時は事なきを得ましたが、本当にキャンプをやっていてよかったと心から思えました。物の備えが大事なのはもちろんですが、それ以上に感じたのは、いま何かが起こった時に「自分に何が足りないのか」「自分は何をしなければならないのか」、そういったことを焦らず瞬時に自分のなかで整理して冷静に行動できたというところが大きかったなと思います。
みなさんにももっとキャンプをしてほしいなと思うと同時に、防災につなげるには、ちょっとしたコツが必要だとも感じました。道具も帰ってきてすぐに充電しておかなければ宝の持ち腐れになってしまう。そういうところも合わせて伝えることをやっていきたいと思い、防災に関する活動も始めることにしました。
防災の勉強ももっとしなければと思い防災士の資格を取得したり、被災者の方に話を聞いたりしました。
防災の専門家の方々はたくさんいますが、私たちはキャンプや暮らしを通してじわじわと底上げできる防災力を自分たちの言葉で発信していこうと。そんなことをここ数年やってきて、この本にもそれを詰め込みました。
「フェーズフリー」という言葉にも数年前に出会い、私たちの暮らしってそのものだなと。さらによく考えると、私たちのキャンプのある暮らしはそもそもフェーズがないんです。いつもが非常事態でサバイバル状態。それを心地よく過ごそう、豊かに暮らそうとしてきたので、フェーズが元々ない暮らしだったんです。
でも、あえて“もしも”の時と“いつも”の日常を分けて考えてみると、水を用意しておく必要性など見えてきて、より強くなれました。
カナ:
そんな背景があり、この本がかたちになっています。出版のお話をいただいてから1年弱かかり、どうしたら楽しくみなさんに防災を伝えられるだろうとたくさん考えた1年でした。
本屋さんにも防災コーナーができているくらい、いろいろな防災本がありますが、この本はほかの防災本と何が違うのか。アヤちゃんどうですか?
■防災意識が変わる? ほかの防災本と何が違うのか
『ラクして備えるながら防災』より、子供部屋のベッド下収納とクローゼットの衣類収納。本書には収納のほか、防災バッグの作り方やローリングストックの方法、レシピや部屋のインテリア、玄関や浴室、車やペットについてまで、暮らしや防災に役立つアイデアやヒント、アイテムが130枚以上の写真で紹介されている。
アヤ:
今年に入ってからも地震があったり、まさに台風が接近していたりと(※1)、みなさんの防災意識が高まっているところですよね。防災本はたくさんありますが、そのなかでこの本は一番わくわくする防災本だと思っています。
「これって防災なの?」と、防災のイメージがぐるっと変わるくらい、すごいものができちゃったなと(笑)
年齢関係なく幅広い方に楽しく読んでいただける。そして「これなら防災できるかも」と防災のハードルが一気に下がる。そしてなぜかキャンプもやってみたくなる。そんな本になっているかなと思います。
マミさんから、おうちの中を大公開という話がありましたが、私の家はベッド収納も全部撮影したり。各おうちでの撮影の時にそれぞれの暮らしのフェーズフリーを探していたら、「私の家のこれってフェーズフリーだったんだ!」って気づいたこともあるんです。
本を読んでいくうちにみなさんも「自分の家も」と共感できるところや、「災害時はこうするといいんだ」という発見があると思います。
(※1 イベント当日は台風10号が接近し、所により九州では土砂災害、関東や東海では大雨による冠水や河川氾濫などが起きていた)
カナ:
私たちは3人ともママで、いわゆる「ワーママ」。子育てしながら仕事しながら、そして本を書きながら生活していて、忙しく見えるかもしれませんが、すべてうまくできるほど器用ではないんです。
そんな私たちの本なので、暮らしをラクにできるズボラなコツやヒントがたくさん見えてくると思います。
■いつもを豊かに、もしもの時にも役立つ「衣」「食」「住」
イベント会場がアウトドア用品店ということもあり、キャンプにも防災にも日々の暮らしにも大切な「衣」「食」「住」をテーマに、防災に役立つ商品を紹介しながら、防災、そしてフェーズフリーの話も展開されました。
その内容は辰巳出版のwebマガジン「コレカラ」にレポート記事がまとめられています。
■イベントを終えて
「防災に取り組まなければならない」と考えている人は多くいます。その考えを持てるのであれば、何のために、なぜ、「ねばならない」なのかを考えてみてほしいと思います。
異常気象も身近なものとなり、私たちを取り巻く環境は変わり続けています。これまで災害が起こったことがないような地域で河川氾濫や土砂崩れが起き、大人が幼少期を過ごした頃とは様子が異なる環境下で子どもたちは育ち、四季の長さが変わり、農作物の生産地や生き物の生息地も変わっています。
「日常」や「通常」は時代とともに変わっていくのです。
これからの日常を自分が「どう暮らしていきたいか」を考えていけば、防災は自然と暮らしのなかに馴染ませていくことができるのではないでしょうか。
本書には、それを体現した暮らしがまとめられています。この本の読者が防災の本質に向き合い意識が備わることに期待し、より豊かな日常が続くことを願っています。
CAMMOC(キャンモック)
マミ、カナ、アヤの3人のママキャンパー。防災士やキャンプインストラクターの資格を有し、「キャンプのある暮らし」をテーマに地球の未来を創造する会社を運営する。キャンプ歴はそれぞれ20年以上。自分に合う暮らしや防災を探求し、キャンプを通して無理なく無駄なく楽しみ続ける防災法を提唱するほか、テレビ・ラジオ出演、執筆やイベント登壇など、幅広く活躍する。
https://www.instagram.com/cammoc/
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