パナソニック、蛍光灯の生産を2027年9月末に終了。今後はLED化の提案を推進
パナソニック エレクトリックワークス社は10月1日に、蛍光灯の生産を2027年9月末までに終了することを発表した。生産終了日の1年前に生産数量を見極め、計画的な生産を行っていく。
CO2実質ゼロを実現した新潟工場で一体型LEDベースライトの生産増強
パナソニックは1951年に蛍光ランプの販売を開始し、最盛期には年間1億本を超える生産を行ってきた。近年、より省エネ性能に優れたLED照明への切り替え提案を進めており、2019年3月末に蛍光ランプ対応の照明器具の生産を終了している。それ以降も蛍光ランプの製品供給を行ってきたものの、需要減少にともなって製品ラインアップを徐々に縮小してきた。
今回発表された蛍光灯の生産終了は、2023年11月の「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議」において、すべての一般照明用蛍光ランプの製造・輸出入禁止が2027年末までに決定されたことを受けて決定されている。
生産終了が決定されたのは、事務所などの施設の主照明として広く用いられてきた直管蛍光ランプ（三波長形）、天井埋め込み照明などに用いられてきたツイン蛍光ランプ（コンパクト形蛍光ランプ）、自宅のシーリングライトなどに用いられてきた丸形蛍光ランプなどで、直管蛍光ランプ（三波長形）と丸形蛍光ランプ、点灯管は2027年9月末に、ツイン蛍光ランプ（コンパクト形蛍光ランプ）は2026年9月末に生産修了となる。
今後は、より環境に配慮したLED照明を迅速に普及すべく、パナソニックの主力LED照明製品である一体型LEDベースライト「iD」シリーズを、原料の再生材比率や施工性を高めて2025年1月にモデルチェンジする。
また、「iD」シリーズを生産している新潟工場では長期にわたって節電を進めており、2024年度にJ-クレジット制度（省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2などの排出削減量や、適切な森林管理によるCO2などの吸収量を「クレジット」として国が認証する制度）の活用を開始したことで、2024年度からCO2実質ゼロ化を実現している。
さらに、生産体制の強化によって「iD」シリーズの生産能力を増強しており、今後想定されるLED照明の需要増加に対応していく。
あわせて、現在蛍光ランプを生産している国内関連企業のパナソニック ライティングデバイスでは、従来光源事業で培った技術を生かしたタングステン極細線などの事業を開始しており、今後も蛍光ランプ事業の技術を生かした新たなビジネスに挑戦していくとしている。
