読みやすい字幕の表示や聴講者のスマートフォンから合成音声を流す機能を新たに開発

TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPAN株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:齊藤 昌典、以下 TOPPAN)は、「2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)」での活用が予定されている多言語同時通訳配信システムの実証実験を、MICE(※1)の総合国際展示会である「Japan MICE EXPO 2024」(会場:インテックス大阪、開催期間:2024年10月17日(木)・18日(金))において実施します。


TOPPANグループは大阪・関西万博における未来社会ショーケース事業の「デジタル万博」にて自動翻訳システムでの協賛が決定しており、これまでもシステムの機能向上を目指し実証実験を重ねてきました。今回の実証実験は、大阪・関西万博におけるセミナーやシンポジウムなどでの活用を想定し、「Japan MICE EXPO 2024」で開催される講演などの場において、登壇者の発話内容をAI技術によって自動同時通訳し、登壇者および聴講者に通訳内容をよりわかりやすく表示する仕組みの構築を目指します。
なお、本実証実験は、総務省の委託事業である「多言語翻訳技術の高度化に関する研究開発(※2)」において研究開発中の同時通訳エンジンを活用したものです。

■ 背景
2025年に開催される大阪・関西万博では、海外からの来場者などへの対応において、多言語翻訳技術に対する極めて大きなニーズが寄せられており、適切な翻訳やユーザインターフェースによって聞き手に正しい翻訳結果を届ける必要があります。
このような中でTOPPANは、2023年12月に開催されたエレクトロニクス製造の国際展示会である「SEMICON Japan 2023」(会場:東京ビッグサイト)などにおいて本システムの実証実験を実施し、システムの機能や運用などで主催者などから高い評価を得てきました。また、これまでの実証を通じ、字幕中にフィラー(※3)がそのまま表示され読みにくいという課題や、翻訳内容を音声で聞きたいというニーズが顕在化し、それを受けて機能の改善を実施してきました。
今回の実証では、会場のスクリーンや聴講者のスマートフォンに表示する字幕中のフィラーを自動的に削除し、読みやすい字幕とする機能や、聴講者のスマートフォンから合成音声(※4)を流す機能を新たに開発し検証を行ないます。同時に、他社との協業運用体制の検証も実施します。

■ 実証の概要


■ 今後の展開
TOPPANは本実証を踏まえ、さらに高精度の多言語同時翻訳配信システムの構築を進め2024年度中の販売開始を目指します。また同時通訳技術の社会実装を通じて、外国人などとの円滑なコミュニケーションを実現し、多言語コミュニケーション基盤の構築を目指していきます。


※1 MICE
企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議 (Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字を使った造語で、これらのビジネスイベントの総称。

※2 「多言語翻訳技術の高度化に関する研究開発」
グローバルコミュニケーション計画2025の推進のため、既に実用化されている『逐次翻訳』の技術を『同時通訳』の技術にま
で高度化し、ビジネス等の場面での利活用を可能にすることを目指す取り組み。

※3 フィラー
「あのー……」「えっと……」といった発話の間に挟み込む意味を持たない音。

※4 合成音声
コンピュータを用いて、人間の声を人工的に作り出す技術。文章(テキスト)を音声に変換することで、文章の読み上げが可能。

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以  上
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