「美味しく食べられる期限」を示す賞味期限。食品を食べる際の指標として、とても重要だ。しかし、この賞味期限の記載がない食品も存在するという。一体どういった食品が該当するのか、その理由とともに詳細をチェックしていこう。
賞味期限の表示がない食品は意外とたくさんある!?
アイスクリームに賞味期限がないというのは、有名な雑学の1つ。アイスは、マイナス18度以下で保存していれば細菌が増えることがなく、長期の保存であっても品質にほとんど変化がないと認められているためだ。消費者庁の食品表示基準の規定にも、「アイスクリーム類にあっては、期限及びその保存方法を省略することができる」と定められている。
実は、ほかにも賞味期限の表示を省略できる食品がある。アイスクリームに近いものとしては、乳固形分が3.0%未満の製品のことを指す「氷菓」。シャーベットやかき氷などが該当し、アイスクリームと同様の理由で賞味期限の表示を省略可能となっている。ただ、アイス類は温度変化によって味が変わることもあるため、保存方法には注意が必要だ。
砂糖や食塩、うま味調味料も品質の経年劣化が極めて少ないため賞味期限表示は不要。とはいえ、砂糖や塩は湿気や乾燥により固まりやすいため、密封容器での保存がおすすめだ。
意外な所では、「ガラス瓶入り、またはポリエチレン製容器入りの飲料水及び清涼飲料水」。ガラス瓶入りの飲料水は品質の劣化が極めて少なく、賞味期限表示は不要とされている。ペットボトルの飲料水の場合には期限が表示してあるが、これは表示量が担保できないため。計量法では標記した容量を守る必要があるが、容器を通じて水が蒸発することがあり、違法となってしまうからだ。
さらに、チューインガムも賞味期限表示が不要。水分が少なく品質劣化が遅い上に、包装の密閉性が高いため長期保存が可能だ。賞味期限の記載が必要のない食品は、意外とたくさんあることが分かった。保存方法に気を付けながらも、無駄なく食品を使いたい。(フリーライター・波多野陽介)
■Profile
波多野陽介
学生時代からクイズ好きで、卒業後からフリーライターとして活動中。世の中の様々な雑学、トリビアを中心にオールジャンルの記事を手掛けている。知識量を増やすべく日々リサーチ中。