映えも狙えるきゅうりドッグ(筆者撮影)

【拝啓、徳島より37】徳島県の最南端、海陽町。「きゅうりタウン」の愛称でも親しまれるこの美しい海沿いの町は、名産品であるきゅうりを活かした町おこしに力を入れています。その中でじわじわと注目度を高めているご当地グルメが「きゅうりドッグ」。ユニークな見た目と見た目に反する味のおいしさから、地元住民はもちろん、巡礼者や県内外のサーファーにも支持され始めています。果たしてそのお味はいかに…?

映えも狙えるきゅうりドッグ

(筆者撮影)

インパクト抜群!海陽町名物「きゅうりドッグ」とは?

「きゅうりドッグ」は、徳島県海陽町の特産であるきゅうりをまるごと一本使った大胆なご当地グルメです。

きゅうりドッグのパッケージにはカッパのイラスト

(筆者撮影)

その見た目は、まさに一度見たら忘れられないインパクト。パンに挟まっているのはソーセージやハムではなく、一本の丸々と太いきゅうり!大きなコッペパンの両端からはみ出るほどの大きさです。

パンの横には可愛らしいカッパのイラストシールも添えられて、なんとも愛嬌がありますね。

インパクト抜群のその姿

(筆者撮影)

パックから取り出してみると、きゅうりの存在感にあらためて驚きます。もはやパンが脇役で、主役はきゅうり。「これは、パンなのか?」と思うほど、挟まっている方のインパクトが圧倒的です。「私は今、(パンというより)きゅうりを食べている」と表現した方が正しいのかもしれない・・・と思うほど強めのきゅうり感。ナイス!

圧倒的なきゅうり感

(筆者撮影)

きゅうり自体は、甘めのピクルスのような味付けで、さっぱりとしていながらもしっかりとした旨みがあります。普通のホットドッグのように「一口目でソーセージだけを楽しむ」という感覚で、「一口目でしっかりきゅうりを楽しむ」という新鮮な体験ができました。

きゅうりだけを食べたら、普通にご飯のおかずとして成立しそうな味でした。果たしてパンとの相性はいかに...?

「きゅうり×パン」をつなぐ、隠し味とは?

それでは早速、パンに挟まれたきゅうりの部分もいただきます。頭では全く味が想像できない組み合わせですが、新鮮でシャキシャキしたきゅうりと、ふんわりしたパンの相性は、思ったよりもめちゃくちゃいい!

しかもパンにはマスタードやマヨネーズの代わりに甘めの味噌が塗られていて、きゅうりの酸味とのコンビネーションがバッチリでした。

隠し味は味噌!

(筆者撮影)

「え、これは本当においしいぞ...!!!」と思わず独り言。

マーマーレードと勘違いするほどすっきりとした甘めの味噌が良いアクセントになって、ただの「さっぱりとしていておいしい」では終わらない奥行きのある味わいを感じます。これは全国のみなさんにぜひおすすめしたい!

「騙されたと思って食べてみて。超おいしいから」とおすすめしてくれたご近所さんの言葉にも納得です。ちょっとびっくりする見た目からは想像もできない、作り手のこだわりを感じる味でした。地域の人から観光客まで「また食べたい」と思う理由がわかった気がします。

海陽町の絶景とともに食べるともっと最高!

きゅうりドッグが購入できるのは、JR牟岐線の海部駅からほど近いスーパー「ピア カイフ」の中にあるパン屋さん。地域で長年愛されてきたパン屋さんで、入口を通った瞬間にふわっと香ばしい匂いが出迎えてくれます。

スーパーの中には休憩できるスペースもありますが、せっかくなら海陽町のきれいな海を眺めながら食べたいと思い、スーパーから車で3分の鞆奥漁港海浜公園へ。

海陽町は絶景の宝庫

(筆者撮影)

蛍の群生地としても有名な海部川の河口を一望できる場所で、青い空に負けないくらい真っ青な川と海が一望できるおすすめスポットです。

川の中洲ではタカのような大きな鳥が羽を休めている姿も。広い空を優雅に飛び回る姿も素敵です。そんな海陽町でしか見られない景色を眺めながらいただくきゅうりドッグもやっぱり最高。海と空の青に、きゅうりの緑が映えまくり。海陽町のいいところを独り占めしているような楽しさを味わいました。

店頭になくても諦めないで!

筆者が訪れた際は、人気のため昼過ぎには一度売り切れましたが、店員さんに聞いてみると、午後の分がちょうどでき上がるところでした!

なんとラッキー!できたての「きゅうりドッグ」を受け取る瞬間の喜びと、店員さんの温かい笑顔に、より一層この味の虜に。店員さんとのこうしたコミュニケーションも、やっぱり旅先の醍醐味ですよね。

他ではなかなか味わえないユニークなご当地グルメ「きゅうりドッグ」。海陽町ならではののんびりとした風景と一緒に、ぜひ味わってほしい地域のおすすめグルメです。(フリーライター・甲斐イアン)

■Profile

甲斐イアン

徳島在住のライター、イラストレーター。千葉県出身。オーストラリア、中南米、インド・ネパールなどの旅を経て、2018年に四国の小さな港町へ移住。地域活性化支援企業にて、行政と協力した地方創生プロジェクトの広報PR業務に従事。21年よりフリーランスとなり、全国各地の素敵なヒト・モノ・コトを取材しています。