辛い食べ物の代表格といえば唐辛子。たっぷりと唐辛子の入った料理やお菓子は辛い物好きの人たちに大人気だが、そもそも唐辛子はなぜ辛いのだろうか? 一般的に果物などは動物に種子を運んでもらうため、甘く美味しく進化したと考えられている。逆に唐辛子は辛く進化することに何かメリットはあったのか、その理由を見ていこう。
唐辛子が辛いのは鳥に食べてもらうため!?
(画像はイメージ)
人間以外にも辛い食べ物を食べる動物がいた!
人間や動物が唐辛子の辛さを感じるのは、辛さや熱さなどを感知する「カプサイシン受容体」の作用によるもの。一般的に哺乳類は辛さを感じるため唐辛子を食べないが、例外が存在する。それが鳥類だ。鳥類のカプサイシン受容体は哺乳類のものとは異なり、辛さに鈍感なことがわかっている。そのため、鳥は唐辛子を平気で食べることができるのだ。
そもそも唐辛子は、鳥に食べてもらうために辛く進化したという説もある。哺乳類は果物などを食べるときに種までかみ砕いてしまうが、鳥は種を丸のみにする。鳥に食べられることによって、フンから種を出すことができるため、種を壊すことなく遠くまで運んでもらうことができる。他の動物には食べられず、鳥だけに食べられるように、唐辛子はカプサイシンを作り出したとも考えられている。
鳥が唐辛子を食べるのは少し意外かもしれないが、インコをはじめとする鳥類はカロテンやビタミンなどが豊富な唐辛子を好んで食べる。実際に唐辛子を砕いた鳥のエサも販売されており、購入者からは「こんなに食べるとは!」「種の部分がお気に入りみたい」などのレビューも寄せられていた。
栄養価は高いが刺激が強く、人間の間では好き嫌いがわかれる唐辛子。唐辛子が好きな人は、もしかするとカプサイシン受容体が鳥に近いのかもしれない。(フリーライター・波多野陽介)
■Profile
波多野陽介
学生時代からクイズ好きで、卒業後からフリーライターとして活動中。世の中の様々な雑学、トリビアを中心にオールジャンルの記事を手掛けている。知識量を増やすべく日々リサーチ中。