「お通し」と「突き出し」の違いとは?(画像はイメージ)

居酒屋などで、席に着いて最初に出てくる一品料理。多くの人が「お通し」と呼んでいるが、地域によってその呼び名が変わることをご存じだろうか。どういった違いがあるのか、詳しく見ていこう。

「お通し」と「突き出し」の違いとは?

(画像はイメージ)

「お通し」と「突き出し」の違いは出てくるタイミング?

「お通し」とは、料理屋で注文した料理が提供されるまでの間に出すちょっとした料理のこと。注文した料理が出てくるまでの繋ぎの役割だけではなく、席料の代わりとしての意味合いもある。お通しという呼び方は、主に関東で使われることが多い。

関西圏で使われることが多いのが、「突き出し」という言葉。現在ではお通しとほぼ同じ使い方をしているが、その呼び名の由来には違いがある。

お通しは、「お客さんから注文を受けました」ということを表すために、注文されてから出てくるのが一般的。厨房に客の注文を通したという意味から、「お通し」と呼ばれるようになったと言われている。

一方で「突き出し」は、客が席に着いた時点で提供されるもの。注文とは関係なく、最初に出すいうことから「突き出し」と呼ばれるようになったようだ。

お通しや突き出しと似たような言葉として、懐石料理が由来の「先付け」があるが、これはコース料理の一番はじめに出る料理のこと。次の料理が出てくるまでつまんで待つという点ではお通しや突き出しと同じだが、先付けはコース料理の中の一品と位置づけられているので、意味合いが異なってくる。

お通しには、次に出される料理を待つ間も楽しんでもらいたいという客への配慮も込められている。旬の食材を取り入れたり、器や盛り付けにこだわるなど、お通しに工夫を凝らす店も少なくない。メニューにある料理だけではなくお通しにも注目してみると、新たな楽しみが見つかるのではないだろうか。(フリーライター・井原亘)

■Profile

井原亘

元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている