最新技術によって進化するバスケ(画像はイメージ)

世界中に多くのファンがいるバスケットボール。国内でも興行収入150億円を超えた映画「THE FIRST SLAM DUNK」やW杯・オリンピックなどの盛り上がりもあり、バスケ人口が増えている。そんなバスケに新風を吹き込む、AIを使った面白い試みが生まれているのをご存知だろうか。最新技術がどのようにバスケと融合しているのか、さっそくチェックしてみよう。

最新技術によって進化するバスケ(画像はイメージ)

最新技術を取り入れてバスケはどう変わる?

Wリーグ・富士通レッドウェーブを保有する富士通は、2024年10月、アジアの技術展示会にバスケの動きをAIで分析する技術を出展した。「Human Motion Analytics」を用いた同技術は、フリースローをおこなうとあらかじめAIが学習していたプロ選手のフォームとの違いを解析。それを受けて2投目を投げると、1投目と2投目のフォームの違いも比較できるというものだ。

同技術の特徴は、「“マーカレス”で使えて」「リアルタイムに」「高精度で結果を提供できる」点にある。従来のフォーム解析では体にマーカーを取り付ける必要があったが、同技術ではカメラだけで認識でき、手軽にフォーム解析が可能に。その結果、トレーニングの効率性が大幅に向上するという。

続いて、一風変わった取り組みをおこなうのはBリーグ・アルバルク東京。「CUE6」という、トヨタ自動車が研究開発したバスケができる“ロボット選手”を所属させている。CUE6はハーフタイムに登場し、ロングシュートを決めるなどのパフォーマンスで会場を湧かせるほかギネス記録にも挑戦。なんと連続フリースロー2020回達成の記録も持っている。

CUEシリーズの誕生のきっかけは、意外にも漫画「SLAM DUNK」だという。主人公・桜木花道から着想を得て、シュート成功率100%の「桜木花道ロボ」の製作がスタート。試行錯誤を重ねた結果バスケ技術は格段に進化し、6代目のCUE6がアルバルク東京に所属するまでに至った。

トレーニングのほか、“チームメイト”にまで最新技術が取り入れられているバスケ。AIの進歩は、バスケの未来を変えるかもしれない。(フリーライター・佐々木剛)

■Profile

佐々木剛

大手メーカーに勤務後、一念発起してウェブメディア業界に転職。その後フリーライターとして独立し、現在に至る。メーカー時代の経験を活かし、テクノロジー、機械、技術系中心に執筆。