大きめの蕎麦猪口でも、1枚いれればはみ出るほど!
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ひとくち目でわかるのは、驚くほど心地のよい食感。表面はつるんといていてなめらか。薄いので口いっぱいに頬張っても、やさしいのどごしを味わえます。幅広の麺が、ダシの薫り高いつゆをたっぷりまとってくれるので、箸が止まりません! しっかり冷やされた麺が、身体の中に涼しさを運んでくれます。

古川さん: 「もともとひもかわは秋から春にかけて、温かいつゆで煮込んで食べる麺だったんですけど、ウチでは『もり』を出し始めたこともあって、夏場は特に大人気なんですよ」

お客さんの期待に応えるうち、薄さ約2mm、幅約10cmという桐生市内でも類を見ない形に進化した「ふる川」の「ひもかわ」。その形のため、通常のうどんよりも神経を使う調理になるものの、ご両親と姉弟での家族経営のおかげで、気を遣わずにいられるのだとか。桐生駅前には先代が店主を務める別店舗もあるそうです。

古川さん: 「富岡製糸場に代表されるように、群馬は織物産業が古くから盛んです。絹織物をイメージした薄い『ひもかわ』を一度味わっていただきたいですね」

古川さんご家族みんなで、繁盛店を支えています。
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ひもかわをきっかけに、桐生という街の良さが伝われば

数々の歴史建造物と軒を連ねる「藤屋本店」。
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もう1店は、街をまるごと文化財として保護する「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている桐生市駅前の、創業から120年以上続く老舗中の老舗「藤屋本店」です。

現在の店主は、6代目の藤掛さん。東京に上京し、4年間和食料理店で修行。その中で、原体験である「うどん屋の仕事」にあらためて魅力を感じ、3年前から店を継いでいます。

藤掛さん「帰ってきて実感しましたが、桐生という街は恵まれた場所なんです。戦時中は近くにゼロ戦の工場がありながら、街は空爆を受けていません。周りを山や川に囲まれているのに、大きな災害も少ない。それに、街の人たちが本当に密接でやさしく、昔ながらの『町中が知り合いだらけ』というコミュニティーが維持されています。これらのおかげで、これだけ文化的な街並みが今でも残されているんでしょうね」

この土地を観光して街の雰囲気や人の温かさに触れ、あこがれをもって街へ移住してくる若い人も増えているとか。そんな人たちが舌で感銘を受けるのが、藤屋本店の「ひもかわ」。こちらではどのメニューも「ひもかわ」で注文することができますが、同じく桐生の名物である「カレー南蛮」が味わえる、一番人気の「カレーせいろ」をチョイスしました。

香りが食欲をそそる「カレーせいろ」。
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こちらの「ひもかわ」は、薄さは約2mm、幅は5~7cmほど。モチモチ食感の麺は塩分濃度や加水率を日々調整しているそうで、1本の長さも特徴的。カレーつゆをたっぷりとすくい上げてくれるので、ひとくちの満足感も抜群! 麺の主張が大きい分、スパイシーに仕上げられたカレーつゆが食欲を刺激します。

とろみ強めのカレーをたっぷりつけてほお張ります。
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藤掛さん「地元の小麦粉、地元の水を使って作る麺は、見た目の割にスルッと食べられるので、お子様や女性にも人気です。男性の方などは、こちらも桐生名物の『ソースカツ丼』と一緒に召し上がる人もいますね。ひもかわやほかの桐生名物をきっかけに、この街に興味を持ってもらえれば。うどん屋を食べ歩きする人も多いですよ」

ひもかわ、カレーうどん、ソースカツ丼で桐生名物三つ巴は、大満足すること間違いないです! 秋の桐生観光は、「うどん屋食べ歩き」で決まりですね!

 

【店舗情報】
●めん処酒処ふる川 暮六つ 相生店
住所:群馬県桐生市相生町2-735-15
電話:0277-47-8190
営業時間:営業時間:昼11:00~14:00LO、夜17:30~23:30LO(月曜休。祝日の場合は営業、翌火曜休)

●藤屋本店
住所:群馬県桐生市本町1-6-35
電話:0277-44-3791
営業時間:営業時間:昼11:30~14:30、夜17:30~20:30LO(月曜休。祝日の場合は営業、翌火曜休)
https://fujiya-honten.net/

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